3月下旬に米国ラスベガスで開催された運用管理者向けカンファレンス「Microsoft Management Summit 2011」で、新たにパブリックとオンプレミスの両方のクラウドを一括して管理できる“Concero”が初披露されました。また、Azure SDK(Software Development Kit:ソフトウエア開発キット)や簡易Webアプリ開発ツールLightSwitchの最新版、Windows Phone 7向けの開発ツールも公開されています。

ハイブリッドクラウド向け管理ツール“Concero”を披露

[画像のクリックで拡大表示]

 3月21~25日(現地時間)に、米国ラスベガスで運用管理者向けのカンファレンス「Microsoft Management Summit 2011」が開催されました。このイベントの中でマイクロソフトは、引き続きクラウドに投資をしていくことを明言しました。同時に、今後サーバー管理ツールである「Microsoft System Center」について、PaaS/IaaSを含めた管理性能を強化することが発表されました。

 その一つとして、運用管理ツールの次期版「Microsoft System Center 2012」に追加されるハイブリッドクラウド(オンプレミス+パブリック)の管理機能が披露されました。これは、“Concero”というプロジェクトコード名で開発を進めているものです。このConceroを使うと、システム管理者から見れば同じIT資産であるオンプレミスとクラウド両方のリソースを一度に管理できるようになります。

●関連情報
[JUST ANNOUNCED at MMS 2011: System Center 2012 Advances Private Cloud Computing and Eases Management of Mixed Cloud Environments](Windows Azureチームのブログ)
[ANNOUNCING System Center Project Codename "Concero"](System Centerチームのブログ)
[Microsoft Management Summit 2011]

Windows Azure最新SDK1.4をリリース

[画像のクリックで拡大表示]

 3011年3月12日、Windows Azure SDKの最新版となる1.4がリリースされました。それに併せてVisual Studio 2010向けのツールキット「Windows Azure Tools」も2011年3月(March 2011)版が公開されています。

 今回のリリースでは、従来リリースのバグフィックスに加え、いくつかの新しい機能を追加しています。具体的には、Windows Azure Connectに関する管理機能の強化や複数管理者サポート、Windows Azure Content Delivery Network(CDN)のHosted ServiceサポートやHTTPSによるセキュアな配信などが新たに盛り込まれています。WebロールとVMロールに配置したコンテンツをAzure CDN経由で配信できるようになり、そのコンテンツは世界各地に配置している各CDNエッジサーバーにキャッシュされるようになります。

●関連情報
[Windows Azure SDK and Windows Azure Tools for Microsoft Visual Studio(March 2011)](ダウンロード先)
[NOW AVAILABLE: Updated Windows Azure SDK and Windows Azure Management Portal](Windows Azureチームのブログ)

AzureのWebアプリを簡単に構築・配布するLightSwitchのベータ2が登場

[画像のクリックで拡大表示]

 2011年3月16日、簡易Webアプリ開発ツールであるVisual Studio LightSwitchのベータ2がリリースされました。プロのプログラマではない人でも、デスクトップ/Web/クラウドをターゲットにしたビジネスアプリケーションを簡単に構築できるというもので、2010年の8月にベータ版が公開されています(関連記事)。

 Visual Studio LightSwitchは、アプリケーションのフォームなどのテンプレートを基に、画面イメージを確認しながら修正したりコードを記述したりしていくことでアプリケーションが作成できる開発ツールです。今回のベータ2では、開発したアプリケーションをVisual Studio LightSwitchからWindows Azure Platform(Windows Azure、SQL Azure)へ直接に配布(デプロイ)することが可能になっています。

 なお、このベータ2からは日本語版の提供を予定していますが、現在は東日本大震災の影響を考慮して公開を延期中です。また、ベータ2のリリースに合わせてトレーニングキットも用意しています。

●関連情報
[Microsoft Visual Studio LightSwitchのWebサイト]
[Visual Studio LightSwitch Beta 2 Training Kit](トレーニングキットのダウンロード先)
[Visual Studio LightSwitch Beta 2 - Where Have You Been All My Life](SQL Azureチームのブログ)
[What’s New in Microsoft LightSwitch Beta 2](MSDNのLightSwitch Developer Center)

Windows Phone 7向けのAzure開発ツールキットを公開

[画像のクリックで拡大表示]

 2011年3月23日、Windows Phone 7向けアプリケーションをWindows Azure上に構築するためのツール群である「Windows Azure Toolkit for Windows Phone 7」が、オープンソースの開発環境を支援するCodePlexで公開されました。このツール群には、Windows Phone 7 & Windows AzureのVisual Studioプロジェクトテンプレートやサンプル、ライブラリなどが含まれています。

●関連情報
[Windows Azure Toolkit for Windows Phone 7](CodePlex)