「PMの存在意義って、いったい何だろう?」――。システム開発プロジェクトにおけるPM(プロジェクトマネジャー)の存在意義について考えたことがあるだろうか。多くのPMは自問自答しながら成長するといえばそれまでなのだが、どこかで一度は「PMの存在意義」について確認し、頭の中で整理しておいたほうがよい。

 プロジェクトにおけるPMの存在意義を突き詰めるには、PMの役割から考えてみる必要がある。PMの役割を文字通りに理解すれば、プロジェクトをマネジメントする人になる。ではプロジェクトをマネジメントするとはどういうことだろうか。これについてPMBOKでは次のように紹介している。

・要求事項を特定すること
・明確で達成可能な目標を確立すること
・品質、スコープ、タイム、コストなど、競合する要求のバランスを取ること
・各種ステークホルダーの異なる関心と期待に対して、仕様、計画、取り組み方法を適応させること出所:『プロジェクトマネジメント知識体系ガイド』(PMI)

 また、PMBOKには「目標の達成責任を負う人」ということも書かれている。つまり、目標を達成することこそPMに与えられた一大命題であり、最大の役割といえる。達成すべき目標によってPMが取るべき手段は常に変化する。その変化する手段の中から方法を決めてしまえば、後は決めた方法を遂行するだけのワークとなる。目標の達成という大きな役割があってこその手段の遂行である。

 こうして書かれたものを読んでみると、「分かったような、分からないような」と悩む方もいるだろう。そこで、もう少し具体的にPMの役割と存在意義について考えてみたい。