日経コンピュータとITproは昨年9月に続いて、2回目の「クラウドランキング」を策定した。動きの激しいクラウド分野において、各ベンダーが提供するサービスの品質と企業イメージがどう変わったのかを調べた。

 まず今年1月、ベンダー186社にサービス品質を問う調査への協力を依頼。358件の有効回答のなかから、クラウドらしい特徴を備えており、現行システムからの移行がしやすいサービス(とその提供ベンダー)を「ベストサービス」として認定した。同じく今年1月、ベンダー250社のイメージ調査を実施した。8374件の有効回答に基づいて、クラウドベンダーとしての認知に勝るベンダーを「ベストブランド」に選んだ。

大手がじんわり巻き返し

 第2回クラウドランキングでベストサービスに認定した20社30サービスと、ベストブランドの12社を図1に示す。

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 ベストサービスは顔ぶれが大きく変わった。いち早くクラウドに注力した新興ベンダーに伍して、既存の大手ベンダーが地力を発揮し始めた。

 その代表は日本マイクロソフト。クラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)部門、汎用業務系SaaS部門、汎用情報系SaaS部門でそれぞれベストサービスを獲得した。昨年後半から「Cloud Power(クラウドパワー)」を掲げて、関連サービスの強化を続けてきたのが実った格好だ。富士通もクラウド基盤サービス部門でベストサービスに選ばれた。同社は昨年10月、米アマゾン・ドット・コムを強く意識したIaaSを投入している。

 ベストブランドはほとんどメンバーが変わらなかった。第1回の11社に、日本オラクルが新たに加わった。