(イラスト・アニメーション:岸本 ムサシ)
今回の回答者: ●050番号について 小松 崇 NTTコミュニケーションズ ネットビジネス事業本部 IPサービス部 担当課長 ●0AB~J番号について 小川 勝也 NTT東日本 IPアプリケーションサービス部門 担当課長 |
引っ越しといえば、各種契約の変更手続きが付きもの。加入電話の場合、電話局が異なる地域に引っ越すと電話番号が変わります。では、IP電話の場合はどうなのでしょうか。
IP電話では「050」から始まる番号と、「03」や「06」などから始まる加入電話と同じ番号(0AB~J番号)の2種類の番号が使われています。移転時の対応はそれぞれで異なります。
050番号は、原則として引っ越しても電話番号は変わりません。加入電話とは違い、地域と番号が結び付いていないからです。プロバイダーはネットワーク上のサーバーで番号を管理しているので、国内のどこに引っ越しても同じ番号を使えます。ただし、引っ越しと同時にプロバイダーを変更した場合は番号が変わってしまいます。詳細はプロバイダーに確認してください。
一方の0AB~J番号は、基本的に加入電話と同じ仕組みで番号が変わります。加入電話のように、地域ごとに番号が割り当てられているからです。IP電話は最寄りの「加入者収容装置」につながっています。この加入者収容装置が異なる場所に引っ越したときに電話番号が変わります。
また、加入電話には「番号ポータビリティ」という制度があります。この制度を利用すると、通信事業者を変更しても同じ番号を使えます。これは、加入電話からIP電話(0AB~J番号)に変えた場合も同じです。番号ポータビリティを利用すれば加入電話と同じ番号を使い続けられます。
注意が必要なのは、IP電話では番号ポータビリティを利用できないという点です。IP電話の0AB~J番号は事業者ごとに決められており、同じ番号が使えません。ただし、加入電話から番号を引き継いでいる場合には、IP電話の事業者を変更しても同じ番号を使い続けられます。