写真1●MWC2011のホール8入り口に掲げられたAndroidのキャラクター
写真1●MWC2011のホール8入り口に掲げられたAndroidのキャラクター
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 2011年2月14~17日までスペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2011」(MWC2011)。今回の主役は間違いなくスマートフォンであり、そのなかでもひときわ目立っていたのが米グーグルの携帯機器向けプラットフォーム/OSであるAndroidだ。

 米アップルのiPhone/iPadが単独メーカーの単一機種であるのとは対照的に、Android搭載スマートフォン/タブレットは様々なメーカーから実に100機種以上もの端末が登場している。スマートフォン普及の端緒は米アップルが切り開いたかもしれないが、普及を推し進めているのは間違いなくAndroidである。

 MWC2011では、携帯電話事業者をも含めたAndroidのエコシステムをグーグルがはっきり示したとともに、Androidを採用する端末メーカーは多様化の新たな方向性として、家電やゲームとの融合・連携をより明確に打ち出した。

初出展のグーグルが他を圧倒する存在感を発揮

写真2●会場内ではAndroidのキャラクターが米グーグルのブースまでの道順を示す
写真2●会場内ではAndroidのキャラクターが米グーグルのブースまでの道順を示す
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 MWC2011の会場で目立ったのが緑色のAndroidのキャラクターだ。端末メーカーの展示ブースが多く集まるホール8の入り口に、「Meet the Android Community」と書かれた巨大なシートを掲げ、まずはその存在感をアピール(写真1)。

 会場内に入ってもAndroidの勢いは止まらない。足元に目をやると、Androidのキャラクターが米グーグルのブースまでの道順を示すといった凝りようだ(写真2)。

 ブース自体も活気あふれている(関連記事1関連記事2)。Androidのキャラクターの周りに、Androidの開発者が各自のアプリやソリューションを展示するといった趣向でコミュニティのつながりを醸成。さらにブースの奥に19社(写真3)、100機種以上ものAndroid搭載スマートフォンやタブレットがベルトコンベアの上を流れている(写真4)。日本ではあまりお目にかかれない多種多様なAndroid搭載端末を見ることができる。

写真3●Android搭載端末のメーカー一覧。MWC2011開催時点で19社にもなる
写真3●Android搭載端末のメーカー一覧。MWC2011開催時点で19社にもなる
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写真4●ブース内には、100機種以上ものAndroid搭載端末がベルトコンベア上を流れている
写真4●ブース内には、100機種以上ものAndroid搭載端末がベルトコンベア上を流れている
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 無論、機種が増えすぎると、アプリの開発者にとっては動作検証対象機も増えることになり悩ましいところだが、一方で多様化はさらなる市場拡大を促す。新たなプレーヤーを巻き込みつつ、Androidのエコシステムがさらに広がることを意味するからだ。

 グーグル初となるMWC2011の展示は、こうした市場の広がりを示すとともに、同社がその広がりに貢献していることを示す場にもなっていた。そして多様化によってAndroidのエコシステムにかかわり始めたのがゲームであり、家電――特にテレビ――である。