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日経SYSTEMS

株価配信量が10倍に、方式を転換して乗り切る

楽天証券

2011/03/08
干場 一彦=日経SYSTEMS
出典:日経SYSTEMS 2010年7月号  pp.58-61
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
1. 東京証券取引所の新システム稼働に合わせて株価情報の配信サービスを強化
2. 当初、自前インフラでのシステム構築を目指したが、外部サービス利用に転換
3. 独自の認証・セッション管理機能を開発して、利用者制限などを実現した

 「当社は基本的に自前インフラ上で各種サービスを開発・提供しているが、新しい株価情報配信システムは予想以上に負荷が高く、システム方式を変更せざるを得なかった」

 インターネットによるオンライントレーディングサービスを提供する楽天証券の木川英一氏(市場高速化対策推進部 マネージャー)は、2010年1月4日から開始した「フル板」という新しい株価情報配信システムの開発プロジェクトをこう振り返る。

 このフル板情報配信システムでは、証券会社の社内端末でしか見ることができなかった、すべての売買情報を楽天証券の顧客が即座に参照できるようにする。東京証券取引所(以下東証)が2010年1月4日に稼働させた新売買システム「arrowhead」によって実現可能となったもので、楽天証券はarrowhead稼働と同時にフル板情報配信システムを動作させる予定でプロジェクトを進めていた(図1)。

図1●フル板情報配信システムの稼働までのスケジュールと課題
2010年1月4日のサービス開始を目指して構築に取り組んだ。自前インフラを経由して情報配信する方式でサービスを実現する計画だったが、負荷が予想以上に高かった
[画像のクリックで拡大表示]

 しかし、フル板情報配信システムで扱うデータ情報量は、従来の10倍以上とケタ違いに増える見込みだった。2009年4月にプロジェクトが本格的にスタートし、方式検討を行っていくと、当初目指していた自前インフラを使ってフル板情報配信システムを構築する方式には、いくつかの課題があることが明らかになった。

 フル板情報配信システムを、自前インフラを利用しないで実現できる、より適切な方法はないのか。検討の結果、木川氏らが選択したのは、株価情報を外部配信ベンダーのインフラから直接、楽天証券の顧客のクライアントソフトへ配信する方式である。

 以下では、この方式転換に対して、楽天証券の現場がどう取り組んだのか、その様子を見ていこう。

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