なぜなぜ分析は、従来はTQM(総合品質管理)などの一環として製造業の現場で取り組まれてきた。トヨタ自動車では「なぜなぜ5回」という名称で推進されており、掘り下げるべき回数の考え方が異なるほかは、ほぼ同じである。災害やクレーム、不良、故障といったトラブルに対して「なぜ起きたのか?」「なぜミスしたことにすぐ気づかなかったのか?」といった問いを繰り返すことで、作業環境や作業手順などの改善につなげる。
近年は事務作業やシステム関連といったホワイトカラー職場においても、実践しようという機運が高まっている。「顧客とのやり取りで食い違いがあった」「運用操作を間違えた」「設定の変更を忘れていた」「入力を間違えた」「作業時間がかかり過ぎる」といった問題の再発防止にも役立つからだ。
ただし「現場を観察せずに事象を記述する」「あいまいな表現を使う」「逆読みして論理のつながりを確かめない」「担当者の個人的な理由を掘り下げようとする」など、やってはいけない注意点がいくつかある。こうしたやり方をしてしまうと、「教育が不足していた」「担当者の注意力不足だった」といった、同じような結論ばかりを導くことになりかねない。
なぜなぜ分析で組織を強くする!
お客様相談室が品質保証部門の下にあってもリスク管理は大丈夫?
なぜなぜ分析の解説
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