MACフレームは、あて先に48ビット(6バイト)で表されるMACアドレスを使う。これをMACフレームのヘッダーに記述する構造になっている(図1-3)。
あて先は唯一無二の48ビットのアドレス
MACフレームを送信するときは、先頭の6バイトにあて先のMACアドレス、その次の6バイトに送信元のMACアドレスを記述しておく。その次のフレームタイプには、データ部分に入るデータの種類を入れる。ここで、IPパケット(IPv4またはIPv6)以外のタイプを指定することで、送信相手のMACアドレスを問い合わせるときに使うARPやネットワーク機器の監視などに使うSNMPといったIPパケットを使わないプロトコルの通信も可能にしている。
末尾のFCSには、FCSを除くMACフレームのデータから計算して得られた数値(チェックサム)を記述する。受信側は、FCSを見てMACフレームがエラーなく届いたかどうか判断できる。エラーが認められれば、そのMACフレームは廃棄することになっている。
このMACアドレスは、各ネットワーク機器の各ポートに一つひとつ唯一無二のものが割り当てられている。ただし、ハブやLANスイッチといったMACフレームを中継するだけの機器のポートには割り当てられない。
MACアドレスの表記は、16進数の2けたごとに区切り、それを「-」や「:」でつなげるのが一般的である(図1-4)。前半の6けたが「ベンダーID」または「OUI」と呼ばれ、ネットワーク機器ベンダーがIEEEに申請することで取得できる。
後半の6けたは、ベンダーが既出荷の製品と重複しないように割り振っている。こうやって、唯一無二であることが担保されている。ただしベンダーによっては、既に使われていないと思われる旧型の製品のMACアドレスを使い回すことがある。
なお、OUIからどこのベンダーIDかを確認することができる。図1-4の右にあるIEEEのWebページにアクセスして、6けたのOUIを入力する。「Search!」ボタンをクリックすると、ベンダー名が表示される。