IPv4枯渇時計は、現時点でのRIR(地域インターネットレジストリー)におけるIPv4アドレスの枯渇状況を表示するブログパーツです。インテックシステム研究所が無償で提供しており、同社の配布サイトから入手できます。ITproの「IPアドレス枯渇カウントダウン」特番サイトのタイトル下にも表示されています。

 この枯渇時計は以前から公開されていましたが、2011年2月3日から10日にかけてリニューアルしました。新しい枯渇時計の見方を、上から確認していきましょう。

 枯渇時計の上半分には、世界に五つあるRIRのそれぞれについて、「/8」のIPv4アドレスブロックの全在庫と未割り振りの在庫が表示されています。五つのRIRとは、アフリカ地域の「AfriNIC」、アジア太平洋地域の「APNIC」、北米地域の「ARIN」、南米地域の「LACNIC」、欧州・中東・中央アジア地域の「RIPE NCC」です。

 「/8」のアドレスブロックは、約1678万のIPv4アドレスのかたまりです。例えばAPNICのところは、2011年2月10日現在「4.19/47ブロック」となっています。これはAPNICにあるIPv4のアドレスブロックは全部で47あり、そのうち未割り振りの部分は4.19ブロックであることを示しています。

 下半分には、五つある中で最も早くIPv4アドレスが枯渇すると予想されているRIRについて、その枯渇予想時期を表示しています。現時点ではAPNICであるとみられています。

 「X-day(最短地域)」には、最短地域のRIRにおける枯渇予想日が表示されています。その下の「X-dayまで(最短地域)」は、枯渇予想日までの日数です。「IPv4アドレス数(予測)」は、その地域の現時点における未割り振りのIPv4アドレス数(ここはアドレスブロック数ではない)の予測値です。これらの予測値は、APNICのチーフ・サイエンティストであるジェフ・ヒューストン氏の個人サイトで公開している「IPv4 Address Report」というリポートの一部から持ってきています。

 IPv4枯渇時計は公開当初、世界中のIPv4グローバルアドレスを管理している大元であるIANA(Internet Assigned Numbers Authority)のIPv4アドレス在庫を表示するブログパーツでした(当時のIPv4枯渇時計については、[Q3]「IPv4枯渇時計」とは何ですか?を参照)。

 IPv4グローバルアドレスは階層的に管理されており、IANAからRIR、RIRからNIR(国別インターネットレジストリー)、NIRからLIR(ローカルインターネットレジストリー、JPNICの場合はIPアドレス管理指定事業者)へと階層状に割り振られていきます。しかし2011年2月3日、IANAにあるIPアドレスの在庫が枯渇しました(関連記事)。この出来事に合わせてIPv4枯渇時計も、まだ在庫があるRIRの状況を表示する「RIR対応版」に衣替えしたのです。