仕事の効率も上司しだい?

 この連載で紹介してきたタイムマネジメントは、自分の仕事を効率的に進めたり、仕事のなかで感じる慌ただしさやストレスを軽減するために有効なものです。しかし、仕事の効率やストレスは自分の仕事の進め方だけではなく、上司にも大きく影響されるものです。

 たとえば、次々と仕事を頼んでくる上司、言うことがころころ変わる上司の下で仕事をしていると、いくら仕事の効率が上がっても、対応しきれないこともあります。タイムマネジメントを応用して、そういう、ちょっと困った上司にも、うまく対応していきましょう。

「次々と仕事を頼んでくる上司」にはどう接したらいい?

 上司に関するお悩みで特に多いのは「次々と仕事を頼んでくる上司」です。次々と仕事の指示が飛んでくる状況では、いくら仕事の効率を高めても追いつきませんし、どの仕事を優先すべきか、悩むことも出てきます。こうした「次々と仕事を頼んでくる上司」とうまくつきあうには、仕事を一方的に引き受けるだけではなく、その場その場で「何を優先すべきか」確認するのがおすすめです。

 タイムマネジメントを行っていると、自分が抱えている仕事はすぐに確認できますし、全体の仕事量もつかみやすくなってきます。新しい仕事を頼まれた場合には、それをいつやれるか、その仕事のための時間が取れるかを、まず考えてみます。もし、以前に頼まれた仕事と重なってしまう場合には「この件と昨日の○○の件、どちらを優先しましょうか?」のように確認してみましょう。

 このタイプの上司は、上司自身も忙しくしていることが多いもの。それぞれの仕事の背景や目的などをていねいに説明してくれないこともあります。どういう意図で指示を出しているか、あまりはっきりしない場合には、自分の判断で優先順位を決めるのは失敗のもと。はっきり聞いてしまう方が確実です。

 また、こうやって確認してみると、「昨日の○○の件はもういいから、こちらだけやってくれ」と言われることもあります。結果として無駄な仕事をしなくて済むわけです。次々指示を出すタイプの上司は、頼んだ仕事が不要になったからといって、その仕事を取り消す指示は出さないこともあります(頼んだことすら忘れてしまっている場合もあります)。「人に頼んでおいて、忘れるなんてひどい」と思うかもしれませんが、上司も完璧な人間ではありません。こちらから聞いて確認することで、必要な仕事とそうでない仕事を見極めていきましょう。

 「どちらを優先しましょうか?」という確認はできるだけ早く行うようにします。そのためには、上司からの仕事の指示は、自分のスケジュールを見ながら受けるのがベストです。