昨年はTwitterが大いにはやった年で、社会現象面や技術面などからさまざまな興味深い指摘がなされた。筆者がユーザーの一人として特に感心するのは、「言い訳がしやすくなっている」点だ。言い訳をしやすくすることで心理的な負担を軽減し、人をより早く能動的にする。システムや業務の設計に取り入れたい視点だ。

 筆者の経験談を語ろう。筆者は、ブログ(またはWeb上のコラム)を途切れさせてしまいがちである。締め切り日が決まっていなかったり、書く義務がなかったりすると、どうしても日々の忙しさにかまけて間が空いてしまう。筆者の場合、思ったことを思うままに書くというより、自分の持っている考えやアイデアをきちんと伝えたいという動機が強い。読む人にとって理解しやすく価値のある内容にしようと思うと、どうしても1テーマ5000字くらいになってしまう。こうなると書く労力が結構大きいので、忙しいと時間が取れなくなる。

 これを解決するために思いついたのが、「ツイートを毎日書きためてブログの原稿にならないか」というアイデアである。ツイートとは「つぶやき」とも呼ばれるTwitterのメッセージ単位(140字以内)である。実際に試したところ、毎日平均で2ツイートを書き、約1カ月間でブログの原稿を完結することができた。最後の仕上げでツイートをつなぎ合わせる手間がかかるが、まとめて5000字を書くのに比べると極めて短い時間で済む。当初は「続けることができるだろうか」と懐疑的であったが、やってみた筆者自身、その負担の軽さに本当に驚いた。