クラウドコンピューティング・サービスは、SaaS(サース)、PaaS(パース)、IaaS(アイアース)の3タイプに大別できます。これまで導入企業数が多かったのはSaaS型でしたが、ここに来てPaaS型やIaaS型を選ぶ企業が増えています。本連載では、まず第1回でPaaS型とIaaS型のそれぞれの特徴を見極めてから、第2~3回でAIGエジソン生命保険やクックパッド、パソナグループなどの導入事例を基に、選択と活用のポイントを探っていきます。

 PaaSやIaaSは、ユーザー企業が利用したいアプリケーションを、クラウド上で実行できるサービスだ。PaaSとIaaSの普及によってクラウドの用途は大きく広がった(図1)。

図1●SaaS、PaaS、IaaSの違い
図1●SaaS、PaaS、IaaSの違い
PaaSやIaaSは、ユーザー企業が自前で開発したアプリケーションを実行・運用する基盤として利用できる。
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 PaaS、IaaSを使いこなすポイントが、ユーザー事例から見えてきた。各サービスの特徴を上手に生かすことで、従来は実現不可能だったような拡張性に富んだシステムを構築したり、運用コストを大幅に引き下げられたりできるようになる。

 本連載ではまず、PaaSとIaaSの特徴を確認する。続いて、ユーザー事例を通じて、PaaSやIaaSによって何が可能になるのか、ユーザーがどのような視点でサービスを選んだのかを解説する。