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ダメな“システム屋”で終わりますか? 日経情報ストラテジー

第20回 頭を使うことを知らない「横展開おじさん」

2011/01/24
佐藤 治夫=老博堂コンサルティング代表 (筆者執筆記事一覧

 IT業界でプロとして活躍するには何が必要か。ダメな“システム屋”にならないためにはどうするべきか。“システム屋”歴30年を自任する筆者が経験者の立場から、ダメな“システム屋”の行動様式を辛口で指摘しつつ、そこからの脱却法を分かりやすく解説する。(毎週月曜日更新、編集:日経情報ストラテジー

あるシステム会社のオフィスでのひそひそ話
ダメな“システム屋”の会話 “システム屋”の営業担当者A 「今朝の営業会議、どうだった?」
営業担当者B 「それがさあ、また出たんだよ。『横展開おじさん』が」
営業A 「どの案件で?」
営業B 「ウチの案件」
営業A 「え?だって、去年、さんざん議論したんじゃなかったっけ?」
営業B 「はいはい、さんざん議論しましたよ、案件スタートの時に。今月、カットオーバー(稼働)を迎えるという報告をしたら、またしても、『横展開はどうなんだ』と来たわけだよ」
営業A 「あれ?横展開できそうな顧客の業界内の企業は、全部回って確認したんじゃなかったかな」
営業B 「もちろん。要件定義が始まった忙しい時期だったけど、一回りして、2年後には検討するかもしれない顧客候補を3つばかりつかんだけどね」
営業A 「それで?」
営業B 「それなのに、『環境変化が激しいから状況は変わっているはずだ、もう一度一回りしてこい』と言い出したんだよ」
営業A 「何か工夫して別の業種で可能性を探ってみるとかではなくて?」
営業B 「横展開おじさんだからなあ。もちろん、単純な同業種内での横展開をご所望ですよ」
営業A 「やれやれ、部下に知恵や工夫を要求するのではなく、横展開できるはずだと迫るわけか。“精神論”に近いな」
ダメな“システム屋”営業部長 「おい、あの案件の横展開はどうなった?」
営業A&B 「・・・(出たっ!横展開おじさん)・・・」

ダメな理由:単純な横展開は思考停止

 前回(第19回)は起業家を自称するダメな“システム屋”について書きました。起業家なら、新たな知恵や工夫をしようとしているだけ、まだ良いほうです。

 一方で、あなたの周りに、やたらと「横展開、横展開」と口癖のように言う人はいませんか。

 横展開は“システム屋”が好む用語の1つです。ある顧客にある業務システムを提供する。そして、その業務システムを同業他社にも提供することを、横に展開するというイメージから横展開と呼びます。この営業手法は、IT事業だけでなく、あらゆる業種業態で行われています。それどころか古今東西、色々な分野で実行されてきた手法です。営業部長になるまで経験を積まなくても、人間なら誰もが考え付く手法かもしれません。

 “システム屋”が担う業務ソフトウエア開発事業の分野で横展開が重視されてきたのは、第2、第3の顧客案件における製造原価を大幅に縮減できるからです。高度経済成長時代やバブル時代に成功体験を積んだ“システム屋”の中には、この横展開手法で収益を稼ぎ出した人たちが多数います。

 その“システム屋”の中には、売上高・利益を上げる手段として、横展開しか発想できない人たちが存在します。それでは、思考回路が単純すぎます。横展開が悪いのではありません。それしか発想できないことに問題があるのです。

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