2011年に入ってWindows Azure関連のツールやサービスが続々と公開されました。ツールとしてはAzure上のWebアプリケーションを簡単に開発できる「Microsoft WebMatrix」がリリースされました。サービスとしてはクラウド上で顧客管理を実現する「Microsoft Dynamics CRM Online」が提供開始されています。コンシューマ向けには、Azure上で構築した「MSN産経フォト」も公開されました。

動的Webサイト構築の無償開発ツールWebMatrixを公開

Microsoft WebMatrixのWebサイト

 2011年1月14日、ASP.NETやPHPを使って動的Webサイトを構築するための開発ツール「Microsoft WebMatrix」が公開されました。サイトからダウンロードして無償で利用できます。

 WebMatrixは標準的なWebサイトをテンプレートとして用意するほか、無償オープンソースのWebアプリケーションを組み込んでおり、動的Webサイトを作成できます。また、データベースエンジンやWebサーバー環境も同こんしており、開発環境から実稼働環境へ円滑かつシームレスに配置を実現します。

 なお、WebMatrixはVisual Web Developerを含むVisual Studioとの連携機能も用意されています。このため、WebMatrixで作成した動的Webサイトを、Visual Studioに移動して開発を続けることも可能です。また、WebMatrixで作成したWebアプリケーションをWindows Azure上で公開することも可能です。

●関連情報
[Microsoft WebMatrixのWebサイト]

パブリッククラウド対応のDynamics CRM Onlineを正式リリース

Microsoft Dynamics CRM 2011のWebサイト

 「Microsoft Dynamics CRM Online」が1月18日にリリースされました。Microsoft Dynamics CRM Onlineは、顧客管理アプリケーションであるMicrosoft Dynamics CRM 2011のオンライン版(パブリッククラウド型)です。日本を含む世界40の地域で利用できます。

 Microsoft Dynamics CRM 2011は、今回リリースされたオンプレミス型以外に、パブリッククラウド型とパートナーホスティング型という3つの形態で提供されます。このうち、オンプレミス型のMicrosoft Dynamics CRM 2011は2011年2月28日のリリースが予定されています。また、パートナー各社よりDynamics CRM Onlineの導入・構築サービス、連携ソリューションやサービスが提供されます。

 Dynamics CRM Onlineの特徴は、同じソースコードを使っていることからオンプレミス型やホスティング型との相互運用が容易、フロントエンドとしてMicrosoft Office(OutlookやExcelなど)を利用するため操作性・業務効率が高くOfficeのクラウド版であるMicrosoft Online Servicesとも連携利用が可能--といった点が挙げられます。

●関連情報
[Microsoft Dynamics CRM Online Now Available Worldwide](英文のプレスリリース)
[Microsoft Dynamics CRM 2011のWebサイト]
[クラウドとオンプレミスの両面でユーザーのニーズに応える ](米MicrosoftのMicrosoft Dynamicsアジア太平洋地域担当エイドリアン・ジョンストン氏のインタビュー)