NTTドコモは2010年12月24日、LTE(long term evolution)方式の移動体通信サービス「Xi」(クロッシィ)の商用サービスを開始した。屋外では下り最大37.5Mbps、上り最大12.5Mbps。一部屋内施設では下り最大75Mbps、上り最大25Mbpsと高速のデータ通信が特徴。LTEのエリア外でも、HSDPA/HSUPA方式の3Gサービス「FOMA」のネットワークに追加料金なしで接続できる。

 日経パソコンでは、Xi対応のデータ通信端末「L-02C」(韓国LG電子製)を入手。通信速度を実測した。今回のテストでは、併せてUQコミュニケーションズのモバイルWiMAX対応端末「Aterm WM3500R」(NECアクセステクニカ製)、イー・モバイルのDC-HSDPA対応端末「D41HW」(中国ファーウェイ・テクノロジー製)を同条件で測定した。

 最初に試したのは、NTTドコモの本社がある「山王パークタワー」(東京都千代田区永田町2丁目)。ビルの1階にある「エクセルシオールカフェ 山王パークタワー店」で、外堀通り沿いの窓際席に座り、パソコンを起動してL-02Cを接続した。「L-02C接続ソフト」のステータス表示で、電波強度がアンテナ3本の最高レベルであることを確認して測定した。結果は下表の通りである。

 今回のテストでは、まず同条件で5回計測し、最高と最低の値を省いた3回分の結果を平均して、一覧表に掲載している。「Radish Network Speed Testing」のマルチセッション版では下り9M~14Mbps台、「RBB TODAY スピードテスト」では下り10M~21Mbps台を記録。理論上の最高値である37.5Mbpsとは開きがあるものの、まずまずの結果といえる。一方、上りはいずれのテストでも数百kbps台にとどまった。ネットワークの混雑や測定サイトとの相性など、複数の可能性が考えられるが、現段階では原因は不明である。

 他方式のデータ通信端末と比べてみると、下りについてはWiMAXと競り合う結果に。Radishのマルチセッション版ではLTEに、RBBではWiMAXに軍配が上がった。イー・モバイルのDC-HSDPAも、アンテナは3本立っていたものの、下りの速度は伸び悩んだ。上りについては、やや速度にムラがあるもののWiMAXが一歩リードという結果になった。

●12月24日 14時台 山王パークタワー屋内での測定結果
●12月24日 14時台 山王パークタワー屋内での測定結果
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NTTドコモのLTEサービス「Xi」に対応したデータ通信端末「L-02C」
NTTドコモのLTEサービス「Xi」に対応したデータ通信端末「L-02C」
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「L-02C接続ソフト」の画面。接続モードがLTEとなっている。LTEが圏外のエリアでは「HSUPA」や「HSDPA」などの表示に変わる
「L-02C接続ソフト」の画面。接続モードがLTEとなっている。LTEが圏外のエリアでは「HSUPA」や「HSDPA」などの表示に変わる
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テストの概要
テストは2010年12月24日の14時台に実施。パソコンは「dynabook SS RX1/T7E」(東芝、OSはWindows XP SP3)を使用。Aterm WM3500Rは無線LANのアクセスポイント機能を持つモバイルルーターだが、測定条件をそろえるためパソコンとの接続はUSBを使用。測定時にはアンテナの電波強度が最高であることを確認している。測定サイトは、「Radish Network Speed Testing」のマルチセッション版「RBB TODAY スピードテスト」を使用した。瞬間的な通信速度の変動で測定結果が影響を受けるのを最小限に留めるため、テストは同一内容で5回ずつ実施し、最高と最低の値を省いた3回分の結果を基に平均値を算出している。