日本ユニシス 籾井勝人 代表取締役社長

 2010年を自己採点すると50点。グループ全体でのコスト削減や営業力強化といった社内の構造改革は順調に進んでいるが、成長軌道に乗せるためにやるべきことは、まだ山ほどある。

 2011年も引き続きICTサービス事業を推進する。クラウドコンピューティングは、米国に比べ日本での普及が遅れている。普及の鍵は、我々ITサービス企業が、いかに安心して利用できるサービスを提供できるかである。2011年は景気と市場環境の回復を受け、「変革」と「攻め」の年と位置付ける。

 強化策としては、SIサービスを継続する一方で、ストック型のICTサービス事業にも軸足を置く。SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)型ソリューションの投入や、顧客が安心して利用できるクラウドサービスを提供することによって、新規の市場・顧客を開拓していく。SIサービスについては、各地方銀行で順調に稼働している金融機関向けのオープン勘定系システム「BankVision」の市場拡大を図る。

 長年のシステム構築経験によるビジネス知識と他社に先駆けて取り組んできたクラウドの技術力を結集し、さらに付加価値の高いサービスを提供する「サービスインテグレータ」への変革を加速させる。

 こうしたクラウドサービスと併せて、ITを基盤としたBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスも、顧客に積極的に提案・提供していく。