伊藤忠テクノソリューションズ 奥田陽一 代表取締役社長

 2010年は、IT投資に対する慎重な姿勢が強く、予想通り厳しい状況で推移した。翻って当社は、スローガンに掲げた通り、ほぼ一定の「成長」を遂げた年だった。各組織やグループ会社が連携し、商談や引き合いも活発化するなどグループ全体の努力の成果が出てきている。とりわけ、昨年は新ブランド「cloudage」を立ち上げ、クラウド関連サービスを体系化し、クラウドビジネスに取り組む強い姿勢を打ち出した。これは、未来に向けた大きな布石となるだろう。総合的に判断すると2010年は及第点だったと思う。

 2011年の経済環境は昨年と比較しほぼ横ばいと見る。引き続き顧客のIT投資は選別的であり、顧客ニーズを的確にとらえた最善の提案が求められている。

 そこで掲げる今年のスローガンは「創造」。顧客に新しい提案をする、新しい潮流を創る、従来と異なるビジネスモデルを創造していく、など様々な思いを込めた。継続して新規クラウドサービスを立ち上げると共に、ビジネスインフラストラクチャーとなるクラウド基盤を新たな技術で提供する。さらに、2012年度開設予定の新データセンター建設に向けた取り組みを加速する。顧客のグローバル化に合わせ、海外拠点設立に向けた準備も進める。こうしてサービス、開発・SI、製品販売の三つの事業領域をバランスよく強化していく。

 グループ全社員が「創造」のスローガンの下、知恵と工夫で付加価値を高める年としたい。