日本ヒューレット・パッカード 小出伸一 代表取締役 社長執行役員

 2010年は「成長への回帰」を掲げて事業を展開した。当社の持つ優れた技術力を生かした様々な新製品の投入や買収したEDSのノウハウを生かしたアウトソーシング案件の獲得、コスト削減に貢献するソリューションなど、厳しい経済環境下でも顧客の競争優位獲得をサポートできるようなビジネスを積極的に展開し、後半から成長の局面に入ることができた。同時に、スリーコムや3PARの統合によるポートフォリオの拡充や、環境配慮型社会インフラ構築推進組織の設置など次の成長をにらんだ布石も打った。

 これらの動きを踏まえ2011年は、新しい提案、価値提供で、成長を確実なものとし、ビジネスを飛躍させたい。ビジネスモデルや技術、働き方が大きく変化し続ける今、すべての企業が、瞬時に顧客やパートナー企業のニーズに的確に対応できる会社「Instant-on Enterprise」にならなくてはいけない。顧客と将来の姿、イメージを共有し、当社のハードウエア、ソフトウエア、サービスにいたるポートフォリオを提供し、「Instant-on Enterprise」の実現を支援する。

 具体的には、仮想化や自動化、グリーンIT、運用管理ソフトを駆使したIT基盤の提供に力を入れる。メインフレームで稼働する老朽化したアプリケーションの近代化(モダナイゼーション)や、自社所有システムとクラウドサービスの最適な組み合わせを実現する設計、構築サービスも提供していく。

■変更履歴
記事公開当初、タイトルおよび本文中2カ所で、Instant-on Enterpriseの「Enterprise」を「Enterpreise」と表記していました。お詫びして訂正します。いずれも「Enterprise」に修正済みです。 [2011/1/5 12:15]