マイクロソフト 樋口泰行 代表執行役 社長

 2010年は、好評だったWindows 7の企業導入が進んだほか、Office2010を市場投入するなど製品に恵まれ、充実した1年となった。昨今は内需に頼らず、海外へ活路を見いだす企業が増えている。グローバル経営を実現するには、ビジネスプロトコルの共通化や、異なる文化を超えたコラボレーションが不可欠となる。当社は幅広いIT製品群により、引き続き共通の情報共有基盤の整備を支援する。

 クラウドコンピューティングは、柔軟な事業運営が求められる現在の経済環境における実効的なソリューションとして、引き続き注目を集めるだろう。当社は、既存システムとの連携や資産の移行性などの観点で、他社にない強みを備えたクラウドサービスで顧客、パートナー企業のニーズに応えられると自負している。昨年はWindows Azureの提供開始や、パートナーシップの加速、社内体制強化を進め、まさに「クラウド元年」になったと手応えを感じている。今年はOffice365の提供をはじめ、クラウドのパワーを引き出すデバイスとしての「Windows Phone」やスレートPCなどの取り組みを含め、パートナーとの連携を基軸に、クラウドに一層注力する。

 また、身振り手振りでゲームを楽しむことのできる新たな操作デバイスとして、Xbox 360向けの「Kinect」を昨年発売した。これは、ビジネスや手話通訳など、活用に様々な可能性を秘めた画期的な技術だと考えている。