日立製作所 中西宏明 代表執行役 執行役社長

 日立は昨年、創業100周年を迎え、「強い日立の復活」に向けた確実な業績の回復と、グローバル市場での展開を加速した。2011年を次の100年に向けた新たな一歩とし、グローバルに勝ち抜き、新たな成長シナリオと共に、日立グループの総力を挙げて挑戦する。

 注力する「社会イノベーション事業」は、日立の有する最先端のITと、長年培ってきた社会インフラ技術との融合により、他社にはまねできない付加価値を提供できる事業である。この事業については、2011年も重点投資や現地化の推進、パートナーとの連携により、さらなる強化を図っていく。社会イノベーション事業の重要な柱である情報・通信システム事業に関しては、全世界に展開しているストレージソリューション事業や、コンサルティング事業の強化を図る。これと共に、それらに続く新たなグローバル展開の柱となる統合ITサービス事業の立ち上げに注力する。

 国内市場においては、ITシステムのライフサイクル全体でのソリューション提供をさらに高付加価値なものとするため、システム開発の超上流工程手法であるエクスペリエンス指向アプローチの適用を拡大させ、顧客との共同作業によるシステム力強化を図る。

 急拡大を続けるクラウド市場においては、高性能なプラットフォーム製品と独自仮想化技術、グループの幅広い技術を発展、融合させ、高信頼なクラウドサービス基盤をより多くの顧客に提供する。こうした取り組みを通じ、日立は今年も真に豊かな社会の実現に貢献していく。