NEC 遠藤信博 代表取締役 執行役員社長

 2011年は、中期経営計画「V2012」の実現に向けた要の年となる。V2012では、クラウド、グローバル、新規の各事業領域に注力しており、2011年も引き続きこれらの拡大に取り組む。クラウドについては、サービス、プラットフォーム、各種センサー、端末を含め、トータルで提供できるのが強み。昨年設置した「クラウド戦略室」が中心となってこれら全ての資産を活用し、One NECとして顧客に最適なソリューションを創り、グローバルに提供していく。

 特に今年は、モバイルクラウドサービスの広がりに注目している。昨年末にLTEのサービスが開始され、今後はこうしたモバイルブロードバンド環境を生かした様々な新サービスが登場するだろう。この機会をとらえ、アンドロイド端末「LifeTouch」などによる新サービスの開発に注力する。2011年は国内市場のグローバル化と日本企業の海外進出がさらに加速する。当社も環境変化に対応し、グローバル5極に配した統括会社を通じて、日本の海外進出企業向けのサポートや、各地域のニーズに合ったソリューションの開発・提供を推進する。

 環境・エネルギー分野では自動車用電池やHEMS(ホームエネルギー・マネジメント・システム)、スマートグリッドなどに注力し、将来の柱となる新規事業の着実な成長を目指す。一連の取り組みを通じ、グループビジョン2017に掲げた「人と地球にやさしい情報社会」を実現し、世界中の顧客から愛される存在を目指す。