【情報処理技術者試験】プロマネへの関心度で大差

 情報処理技術者試験の資格として、ユーザー企業のシステム担当者(システム子会社の従業員も含む)が最優先で取得すべきは、「基本情報技術者」といって問題なさそうだ。ユーザー企業のシステム部長が、システム担当者に「取得させたい」資格、ユーザー企業のシステム担当者が「取得済み」または「取得したい」資格の両方で1位である(図1図2)。

図1●ユーザー企業のシステム部長が、システム担当者に「取得させたい」情報処理技術者試験の資格(五つまで複数回答)
図1●ユーザー企業のシステム部長が、システム担当者に「取得させたい」情報処理技術者試験の資格(五つまで複数回答)
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図2●ユーザー企業のシステム担当者が「取得済み」「取得したい」情報処理技術者試験の資格(複数回答)
図2●ユーザー企業のシステム担当者が「取得済み」「取得したい」情報処理技術者試験の資格(複数回答)
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 システム担当者が「取得済み」と回答した比率は、「基本情報技術者」が最も多い。回答者であるシステム担当者の10人中3人(30.9%)が既に「基本情報技術者」の資格を持っている。

 システム部長がシステム担当者に「取得させたい」資格と、システム担当者が「取得したい」資格で人気の差が大きかったことで目を引くのが、「プロジェクトマネージャ」だ。システム部長がシステム担当者に「取得させたい」資格で、「プロジェクトマネージャ」は2位である。システム部長の半数(51.4%)が、システム担当者に取ってほしいと考えている。

 ところが、システム担当者は、システム部長に比べて「プロジェクトマネージャ」への関心が低い。システム担当者が「取得済み」「取得したい」資格では、「プロジェクトマネージャ」は6番目(23.1%)である。

 「プロジェクトマネージャ」を敬遠するシステム担当者は少なくないようだ。「『プロジェクトマネージャ』資格を持っているという理由で、プロジェクトの責任を負わされ、問題があれば同僚や部下の尻ぬぐいをさせられる。取得しても、なんだか割りに合わない気がする」。システム担当者の意見には、こうした本音もあった。

 自由意見としては以下のようなコメントも多かった。「専門性を高めるため、技術系の資格を取得したい。組織・チームを管理するような仕事には、自分は向いていないので、プロジェクトマネジャー関連の資格にはあまり興味がない」。

 システム担当者に人気の高い資格(「取得済み」と「取得したい」の割合の合計)は、「基本情報技術者」に次いで、「情報セキュリティスペシャリスト」(30.8%)である。「ネットワークスペシャリスト」や「応用情報技術者」も人気だ。

 ITアーキテクトの重要性がいわれるものの、「システムアーキテクト」は、「取得済み」「取得したい」の合計が8.5%で下位である。システム部長がシステム担当者に「取得させたい」資格でも11位にとどまった。