IPv4グローバルアドレスの枯渇時期が間近に迫ってきました。在庫の大元であるIANA(Internet Assigned Numbers Authority)の在庫は未使用分があと2ブロック(1回ないし2回の割り振り分)しかなく、2011年2月頃に底をつくと見られています。このアドレス枯渇の影響で、インターネットは変わりはじめています。五つのポイントに注目して、この動きを追ってみましょう。
ポイント1:IPv4アドレスの残り在庫
未使用のIPv4グローバルアドレスは、IANAから地域インターネットレジストリー(RIR)、国別インターネットレジストリー(NIR)、プロバイダーと階層状に、ひとかたまりを単位にして割り振られていきます。IANAの在庫が底をついた後は、RIRにある残り在庫を消費していくことになります。日本の場合はアジア太平洋地域のRIRであるAPNICになりますが、それも2011年のうちに消費してしまうと予想されています。
<ニュース>
- IPv4アドレスの枯渇がいよいよ目前、在庫が実質2ブロックに
- IANAがAPNICに未割り振りのIPv4アドレスを2ブロック割り振り、残り在庫は4%台に
- ついに残り在庫が5%に、IANAが未使用のIPv4アドレスを2ブロック割り振り
- IANAが未使用のIPv4アドレスを2ブロック割り振り、残り16ブロックに
- IANAが未使用のIPv4アドレス2ブロックを割り振り、残り18ブロックに
- 未割り振りのIPv4アドレスが残り10%を切る
<解説/コラム/インタビュー>
- 【記者の眼】IPv4アドレスはどう枯渇し何を変えるのか
- 【記者の眼】未割り振りのIPv4アドレスが残り10%を切って見えたこと
- 【インタビュー】10%を切った未割り振りのIPv4アドレス、IPv6の実装にいま着手するべき
- 【ニュース解説】事業者間のIPv4アドレス譲渡解禁へ、在庫枯渇延期への効果は限定的
ポイント2:NTTのNGNを介したIPv6インターネット接続サービス
早ければ2011年4月に、NTTのNGNを介したIPv6インターネット接続サービスが始まります。多くのユーザーにとって、IPv6インターネットが身近になるきっかけとなるでしょう。このサービスは「トンネル方式」「ネイティブ方式」の2通りの方法で提供される予定です。2010年はKDDI、日本インターネットエクスチェンジ、NECビッグローブ、ニフティ、朝日ネット、ヴェクタントの6社が、このサービスを見据えて新会社を設立するといった動きが見られました。
<ニュース>
- JPIX、KDDI、大手プロバイダーはじめ6社がIPv6接続事業などを推進する新会社を設立
- ネイティブ接続事業者3社、IPv6とIPv4の共存に向けた技術検証を開始
- NGNのIPv6インターネット接続に新たな火種、ネイティブ方式ユーザーに追加料金の懸念
<解説>