「クラウドとは何か」を知るフェーズを過ぎ、クラウドを実際に使い始める段階に入っているようだ。2010年のクラウド関連のニュースでは、使える新サービスに関する話題がアクセスを集めた。とりわけ早いペースでサービスを増強しているGoogle関連の新サービス(「Google Docs」「Google、Gmail」「Googleマップ」「リアルタイム検索」)がアクセス上位10件のうち4つを占めた。

 GoogleやAmazon.comなどクラウドの市場を確立したベンダーのニュースだけではない。それに続くクラウド関連サービスも注目を集めている。SNS「フェースブック」や同期ツール「SugarSync」、メモソフト「Evernote」の日本上陸を報じた記事がランキング上位に入った。

 注目される分だけ、その影響や反動も大きくなる。Office 2010 Web版の使い勝手の悪さGoogle Waveの開発中止を報じた記事が多くのアクセスを集めている。セールスフォースのシステム一時停止も、上位に入った。

 そのほか、主要ベンダーのキーパーソンによるコメント(セールスフォースNTTデータマイクロソフト日本IBMなど)や、パナソニック東芝など大企業による導入事例の記事も人気である。

ITproエンタープライズ・クラウドランキング
(2010年1月1日~12月11日)
1位Office 2010のWeb版は「期待はずれ」
2位フェースブックが日本語サービスを開始、「実名でこそ利点がある」
3位クラウド時代の道標、「第1回クラウドランキング」を発表
4位グーグルが「Wave」の開発を中止、「期待ほど受け入れられず」
5位「偽物クラウドへの注意を促すために日本に戻ってきた」、セールスフォースのベニオフ氏
6位経産省がクラウド政策、基盤や制度を整備し40兆円市場創出へ、OSS推進フォーラムとも連携
7位Google Docs、すべてのファイル形式をアップロード可能に
8位Google、Gmailに6つの新機能、実験提供から正式実装へ
9位Amazon EC2が1時間1円台で使える「Microインスタンス」提供開始
10位Googleマップが5周年、新たな拡張機能を披露
11位Google、リアルタイム検索のホームページ開設、独立サービスとして提供
12位セールスフォースの全サービスが1時間強にわたって停止
13位Dropboxより便利?! 同期ツール「SugarSync」が日本上陸
14位Google Appsで60以上のアプリが利用可能に
15位パナソニックが全世界で「LotusLive」を採用、電子メールをExchangeから移行
16位「3年後に売上高1000億円を目指す」、NTTデータがクラウド戦略を発表
17位「1年後にはソフトウエア開発者の9割がクラウドに従事」、マイクロソフトのバルマーCEOがアピール
18位パソコン/iPhone用のメモソフト「Evernote」が日本進出、ソニーVAIOにも標準搭載へ
19位東芝、デジタル家電のファームウエア配信にAmazon EC2/S3を採用
20位「クラウドの精鋭を今月中に300人に」、日本IBMが事業戦略を説明