Hitach Incident Response Team

 2010年12月5日までに明らかになったぜい弱性情報のうち、気になるものを紹介します。それぞれ、ベンダーなどの情報を参考に対処してください。

BIND 9.7.2-P3リリース(2010/11/30)

 BIND 9.7.2-P3がリリースされました。このリリースでは、BIND 9.6.2~9.6.2-P2、9.6-ESV~9.6-ESV-R2、9.7.0から9.7.2-P2に存在する、否定応答受信時のRRSIGレコードの取り扱い処理のぜい弱性(CVE-2010-3613)を対策しています。この問題を悪用された場合、DNSSEC検証の有効/無効に関係なく、再帰的問い合わせを受け付けるDNSサーバーはサービス不能(DoS)状態に陥る可能性があります。また9.0.x~9.7.2-P2、9.4-ESV~9.4-ESV-R3、9.6-ESV~9.6-ESV-R2の検証処理に存在するゾーンデータの状態をinsecureと判定してしまうぜい弱性(CVE-2010-3614)、9.7.2-P2のallow-queryのアクセス制御処理に存在するぜい弱性(CVE-2010-3615)を対策しています。

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OpenSSL 1.0.0c/0.9.8qリリース(2010/12/02)

 OpenSSL 1.0.0c/0.9.8qがリリースされました。このリリースでは、セッションキャッシュに格納される暗号スイートのダウングレード攻撃に関するぜい弱性(CVE-2010-4180)と、J-PAKE(the Password Authenticated Key Exchange by Juggling)検証処理に存在するぜい弱性(CVE-2010-4252)を対策しています。J-PAKE検証処理に存在するぜい弱性を悪用された場合、共有の秘密情報なく、誰もが検証に成功してしまう可能性があります。

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VMwareセキュリティアップデートVMSA-2010-0018(2010/12/02)

 VMware Workstation、Player、Fusion、ESXi 4.1/4.0/3.5、ESX 4.1/4.0/3.5のセキュリティアップデートがリリースされました。このアップデートでは、vmware-mountのアクセス権限の昇格につながるぜい弱性2件(CVE-2010-4296、CVE-2010-4295)、VMware ToolにおけるOSコマンドインジェクション問題(CVE-2010-4297)、VMware Workstation、Player、ACEに同梱されているVMwareムービー・デコーダーのVMncメディア・コーデック処理に存在する任意のコード実行につながるぜい弱性(CVE-2010-4294)、計4件のセキュリティ問題を対策しています。

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