デスクトップ環境の強化

 デスクトップ環境はサーバーとして利用する場合であっても使いやすいものでなければならない。RHEL6では従来と比べ洗練されて使いやすく、多言語対応がしっかりとしたインタフェースが提供される。

 RHEL6のデスクトップ環境での変更点としては、まず基本的なもので GNOME 2.28、KDE 4.3、Firefox 3.6.8を搭載する。RHEL5からの大きな変更としては、デフォルトフォントの変更、開発環境の拡充、デバイスの自動検出、無線LANのIEEE802.11n規格への対応などが挙げられる。

デフォルトフォントの変更

 RHEL5ではデフォルトの日本語フォントが「さざなみゴシック」だったが、RHEL6ではデフォルトの日本語フォントが「VLゴシック」に変更した。これにより、従来のフォントよりも読みやすくなり、印刷時の品質も向上している(写真3)。

写真3●フォントの比較
写真3●フォントの比較
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 「IPAゴシック」と「IPA明朝」もRHEL6ではデフォルトでインストールされるフォントとして追加された。なお、RHEL6では、さざなみフォントが削られる予定なので注意されたい。

開発環境の拡充

 RHEL6からはJavaのオープンソース実装である「OpenJDK 1.6.0」が提供される。Javaの実行環境であるJava VMがオープンソースで実装されているため、Java VM内で引き起こされる問題に対する追跡が比較的容易になった。

 統合開発環境としては、Java統合開発環境で一般的な「Eclipse」がRPM形式のパッケージとして提供されるようになった。C/C++開発者向けのEclipse用プラグイン「CDT」やPython開発者向けのEclipseプラグイン「Pydev」も提供される。