信頼性とスケーラビリティ

 RHEL6では、メインフレームをリプレースできるほどの信頼性とスケーラビリティを狙っている。RHEL5からの大きな変更点としては、信頼性を向上させるメモリーエラー検出機構「EDAC」の対応強化や、バグレポートを自動化させる仕組み「ABRT」の採用、などが要注目だ。

メモリーエラーの「EDAC」対応強化

 信頼性を向上させるための仕組みには、各種ホットプラグ、ファイルシステムの信頼性向上、メモリーのエラー検出の仕組みであるEDAC(Error Detection And Correction)の新チップセットへの対応、が挙げられる。

 EDACとは、ECCやRegistered ECCといったパリティー付きメモリーでメモリーエラーが発生した場合に、故障しているメモリーのスロット番号が通知される技術だ。パリティー付きメモリーを搭載している場合には、不可欠といえる。

 RHEL6では、新チップセットに対応したため、新たなマシンでもEDACが機能するようになった。EDACは一般的にチップセットの中に含まれているのでサーバーの購入時期によってドライバが微妙に異なり、古いOSを使い続けると対応ドライバが入っていない場合がある。

 なお、EDACで修復不能エラーを検出した場合、システムは自分でハングアップするので注意していただきたい。

バグレポートの自動報告強化

 RHEL6からABRT(Auto Bug Reporting Tool)という機能が搭載された。ABRTを使えば、バグレポートに必要な情報を自動的にまとめて、必要に応じて報告を促す(写真1)。バグの再現手順を自動的に抽出できるため、手順をまとめる時間が短縮される。

写真1●バグレポートに必要な情報を自動的にまとめて報告する「ABRT」の画面
写真1●バグレポートに必要な情報を自動的にまとめて報告する「ABRT」の画面
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