表1●主なコンポーネントのアップデート
表1●主なコンポーネントのアップデート

 Red Hat Enterprise Linux 6.0 (RHEL6)は、2007年3月にリリースされた現バージョンのRHEL5から、実に3年半ぶりの大きなアップデートとなる。RHEL5とRHEL6における収録ソフトウエアのバージョンを比較すれば、3年間の変化は大きなものだと分かる(表1)。

 RHELは、コミュニティ向けLinuxディストリビューションである「Fedora」をベースにし、エンタープライズ向けに派生させたもの。Fedoraで新機能の試験的な実装を行っている。RHEL6は、Fedora 12がベースとなって開発されたバージョンだ。証券取引所や主要な大銀行の基幹システムとしても多く使われるものであるため、安定性を追及している。

 なお、RHEL6のCPUアーキテクチャとしては、Intel x86(i386)、AMD64/EM64T(x86_64)、PowerPC(ppc64)、IBM Mainframe(s390x)に対応する。今回からIntel Itanium(IA64)が対応アーキテクチャから外れた。

 RHEL5からRHEL6では、多くの細かな変更が含まれている。ここでは、比較的重要な強化点を、表2に挙げた6つのテーマに分けて解説していこう。

表2●RHEL6の主な強化点・変更点
表2●RHEL6の主な強化点・変更点