1年近く通信業界を揺るがした「光の道」論争。「2015年までにブロードバンド利用率100%」の実現方法を巡り、NTTの組織形態を含めて議論は紛糾した。だが、2010年11月30日に総務省の「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース」(ICTタスクフォース)が最終案を取りまとめた。
しかし、最終案に対して「スケジュールや数値目標を明確にすべき」との声も上がっている。ソフトバンクの孫正義社長は「国会で議論するべき。まだ議論は終っていない」と考えを述べた。
ICTタスクフォースが「光の道」構想の取りまとめ案、数値目標などは追記せず
「NTT東西の機能分離はありだが、監視体制が重要」---KDDI小野寺社長
「光回線会社は“ガラパゴス提案”」、NTTがソフトバンク案を批判
光の道、ソフトバンク案は不確実性が高い---総務省が実現の骨子案
「TF案は具体性に欠け答えになっていない、国会で議論を」ソフトバンク孫社長
総務省ICTタスクフォースが「光の道」骨子案、NTT東西に「機能分離」を求める
「光の道」最終報告書に向け事業者ヒアリング、NTT支配力を問題視する声多数
「光の道」実現方法について激しく対立した通信事業者各社
そもそも「光の道」という言葉が登場した発端は、2009年9月の政権交代で民主党の原口総務大臣が誕生したこと。原口大臣が2009年末に成長戦略「原口ビジョン」を発表し、その目標として「2020年までにすべての世帯でブロードバンドサービスの利用を実現する」という構想を発表した。これが「光の道」である。その後、目標達成年は5年前倒して2015年とした。
この構想に基づき、NTTの経営形態を含む「光の道」に関する整備方法を、総務省ICTタスクフォース内の作業部会で検討することとなった。そこで浮き彫りになったのが、既に自らインフラ整備を進めているNTTと、NTT東西のアクセス部門の分離を主張する競合各社との意見対立だ。特にソフトバンクの孫社長は、自ら出資してでもアクセス部門を分離独立させてアクセス回線会社を作るべきと主張。「税金不要」「月額1400円で提供可能」とぶち上げ、NTTと激しい舌戦を繰り広げた。
「1社でもアクセス回線会社にコミットする」ソフトバンクがNTT説明に再反論
「月額1400円でやりましょう」、ブロードバンド網整備でソフトバンクが新提案
「メタルから光への移行は、電話網のIP化を完了した後に考えること」とNTT
光の道構想、NTTからの反論にソフトバンクはオープンな場での議論呼びかけ
NTTが光の道でソフトバンク案に反論、月額1400円での提供は不可能と主張
総務省のICTタスクフォースが「光の道」戦略大綱を決定、行程表をまとめる
「光の道」ヒアリング、「我々の案が間違っていれば頭を丸める」と孫社長
「整備率/利用率ともに100%達成可能」光の道でソフトバンクが新提案
「光の道戦略大綱を8月末に」総務省タスクフォースが新WG設置して再開
総務省、ICTの利活用を阻む制度や規制についての意見募集を開始
総務相が来年度国会で光の道法案成立に意欲、NTT組織見直しは年内決着
「アクセス回線会社の取締役をやってもいい」---光の道でソフトバンク孫社長
総務省のICTタスクフォースが「光の道」の報告書案、NTT再編は1年先送りに
「光の道」構想で議論が難航、周波数の国際化を検討する新グループを追加
競争重視で「光の道」整備の考え示す、総務省ICTタスクフォースで論点整理
議論進むも“光の道”実現は前途多難---ICTタスクフォースより
NTT再編議論始まる、「光の道」の整備とアクセス権で論点を提示
「原口ビジョンには賛同」も構造分離に警戒感示す、決算会見でNTT三浦社長
2010年中にICT関連規制を集中見直し、総務相が「原口ビジョン」発表