ソフト開発会社のガイアとSaaS専業のネットスイート、さらに電通国際情報サービス(ISID)も、IFRS(国際会計基準)対応を見すえて、グループ子会社の会計システムをSaaSで提供を始めた。

 IFRS対応を見すえて、グループ子会社の会計システムをSaaSで提供するのはNTTデータビズだけではない。

表●IFRS対応支援を打ち出した主なSaaS
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 2009年12月にはソフト開発会社のガイアと、SaaS専業のネットスイートが協業し「IFRS対応グローバル・リアルタイム連結SaaS」の提供を開始した。電通国際情報サービス(ISID)も2010年4月に、中堅・中小企業向けに独SAPのERPをSaaSとして利用可能な「BusinessACXEL for SAP ERP」の提供を始めた()。

 IFRS対応グローバル・リアルタイム連結SaaSは、ネットスイートのSaaS型ERP「NetSuite」とガイアのグループ統合元帳ソフト「J-GAIA Virtual Single Company(以下、J-GAIA)」を組み合わせたサービスである。NetSuiteをグループ子会社に導入した場合、J-GAIAでグループ子会社の会計データの勘定科目の統一やIFRSに基づいたデータ変換処理を実行する。

 ネットスイートとガイアは13年までの3年間で300グループへの導入を狙っている。導入価格はJ-GAIAのSaaS型が月額50万円から(利用企業10社の基本ライセンス)だ。

 ISIDのBusinessACXEL for SAP ERPはIFRS対応に限定したサービスではない。ただ、グループ子会社への一斉導入など「IFRS対応支援サービスとしても販売していく」(ISID広報)という。

 価格はSAPのライセンスや保守費用、システム利用料込みで月額100万円から。SaaSであることに加え、SAPの中堅企業向け導入支援テンプレート「SAP Business All-in-One」を利用することで初期費用を抑え、短期間で導入できるとしている。

 もちろんIFRS対応では、グル ープ子会社の情報システムを変更せずに親会社が支援する方法もある。クラウドサービスの拡充で、企業のIFRS対応の選択肢が増えた格好だ。