7回に渡って続けてきた詳説JavaFXも、今回が最終回です。

 JavaFX 2.0ではJavaFX Scriptがサポートされないため、今回はJavaFX Scriptの文法ではなくAPIの使い方を中心に解説を行います。APIは、JavaFX 2.0でもそれほど変わらないと予想できるので、JavaFX 2.0でも引き続き使用できるはずです。

 今回取りあげるAPIは、前回解説したアニメーションの続き、ノードの拡張、マルチメディアなどです。

 最後に、JavaFXアプリケーションのデプロイメントについて解説します。

よく使用されるアニメーション

 前回解説したように、アニメーションを表すにはjavafx.animation.Timelineクラスを使用し、各時点での状態をjavafx.animation.KeyFrameクラスで記述します。

 しかし、KeyFrameクラスで状態を記述しなくてはいけないのがちょっと面倒です。

 そこで、よく使われるアニメーションは、専用のクラスが提供されており、簡単に記述することが可能になっています。これらのアニメーションのためのクラスは、すべてjavafx.animation.transition.Transitionクラスのサブクラスとして実装されています。

 TransitionクラスはTimelineクラスのサブクラスなので、これらのクラスはすべてタイムラインとして扱うことができます。

 提供されているクラスは表1に示した8種類です。

表1●トランジッション一覧
クラス名 説明
TranslateTransition 移動を行うアニメーション
PathTransition 任意のパスに沿った移動を行うアニメーション
RotateTransition 回転を行うアニメーション
ScaleTransition 拡大・縮小を行うアニメーション
FadeTransitisition フェードイン・フェードアウトを行うアニメーション
SequentialTransition 複数のアニメーションを連続して行うアニメーション
ParallelTransition 複数のアニメーションを同時に行うアニメーション
PauseTransition 指定した時間、何もしないアニメーション。SequentialTransitionなどと組み合わせて使用する

 表1の8種類のクラスのうち、最後の3つのクラスは単独で使用することはありません。複数のアニメーションをまとめて実行するためのクラスとなります。

 以下、よく使用されるトランジッションについて簡単に使い方を紹介します。