ラックにサーバーを追加する際、ホットスポット(熱だまり)だけでなく、風量を考慮しなければなりません。

 例えば、データセンターで熱問題をかかえている状況で、さらにブレードサーバーを追加しなければならないケースを想定します。ホットスポットから遠いところに設置すれば“なんとなく”良さそうですが、ただ遠いというだけで配置位置を決めると、さらなる熱問題を引き起こす可能性があります。

 ブレードサーバーは発熱量が高いので、必要とする空気の量(風量)が通常より多くなります。新たに設置したブレードサーバーの個所で冷気を消費してしまうと、場所によってはそれまで足りていた風量が不足することになり、さらなる熱問題を招きかねません(図1)。

図1●サーバー追加による、風量不足の発生
図1●サーバー追加による、風量不足の発生
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 空調の能力だけでなく、風量を考えて、サーバーを増設しなければなりません。そのためには既存のデータセンターの熱や風のデータを細かく分析することが必要で、そうしたアセスメントサービスを利用するのも検討すべきでしょう。


水口 浩之
APCジャパン サービス事業部 ソリューションエンジニアリング部 ソリューションエンジニア
前職は国産包装機械メーカーの海外事業部で技術営業として英語圏を担当。2006年よりAPCジャパンにて,ソリューションエンジニアとして顧客の希望するソリューションを設計している。UPS,ラック,空調,APCの全製品を組み合わせ,UPSとソフトウエアによるシャットダウン・システムの設計からラックの架台設計まで行う。ITインフラのスペシャリストを目指す。