最終回となる今回は、エデュケーションを取り上げる。エデュケーションは、研修カリキュラムや研修コースのニーズ分析や設計、開発、運営、評価を手がける職種である。専門分野としては、「研修企画」と「インストラクション」(研修実施)の2つがある。
図1に、エデュケーションのモデルキャリアパスを示す。
まず、入社して3年目頃までは、研修を実施したり、テキストを改定したりしながら、研修対象分野の知識とインストラクションの基本を習得する。この時期に担当する研修コースは、限られた専門分野のコースである。4年目頃からは、研修対象分野に関する知識の幅や深さを広げるとともに、顧客の組織としての方向性を意識した研修コースを自ら企画・開発するようになる。
そして15年目くらいから、全社的な人材育成や後進育成をリードする立場になり、20年目をすぎるころから、大学教授や人材育成コンサルタントとして活動したり、人材育成事業を立ち上げて独立したり、経営層として自社内の人材育成に責任を負ったり、全社の研修の責任を負うなど、人材育成にかかわる様々な場面で活躍するようになる---。これが、エデュケーションとしてのキャリアアップの一般的なステップである。
図2に、エデュケーションのモデルキャリアパターンを示した。
図に示すように、最初からエデュケーション職種に就く場合と、ほかの職種からエデュケーションに職種転換する場合の2つのパターンがある。ハイレベルでは、ラインの管理職や他の職種(コンサルタントやITアーキテクトなど)を兼務することもある。