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第1回 性能品質は開発工程全体で作り込もう性能要件の実現は重要だと認識しながら、「結局、性能は構築し終わるまで分からない」といったスタンスでプロジェクトに臨んでいないでしょうか。最初に性能要件を定義したあとは特に何もせず、カットオーバー直前にわずかな性能テストとチューニングを行うだけというケースを、筆者はよく見かけています。 そのようなスタンスでシステムを開発しても、性能要件をしっかりと実現できる可能性は高くありません。カットオーバー直前にその場しのぎの対策をするか、巨額の追加コストをかけてハードウエア増強に走る、といった状況に追い込まれがちです。 ITシステムの性能品質は本来、ライフサイクル全体を通して作り込むものです(図1)。設計、実装、テストの工程を通じて、システムの性能要件達成に取り組み、検証していく必要があります。 ![]() 本連載では「システムの性能を確保するために何をすべきか」というテーマで、性能をマネジメントするための考え方やノウハウを紹介していきます。 性能マネジメントの作業プロセス性能品質を作り込んでいくには、開発工程の早い段階からその工程に応じた対策を打っていくことが必要です。つまり、終盤のテスト工程になって初めて性能をチェックするのではなく、「実装までに性能を見極めておき、性能テストで想定の性能に収まっていることを確認するだけ」という姿勢で臨むべきです。各フェーズで取り組むべき作業を以下にまとめました。
要件定義: 終盤で性能が問題となる場合、実はここで定めた性能要件があいまいなものだったり、どう考えても実現不可能なものだったりするケースが少なくありません。本連載の第2回で、性能要件を具体化するポイントについて触れたいと思います。
設計: 本連載の第3回では、性能リスクを早期に発見するための性能見積り手法について紹介したいと思います。
実装: そのため、このフェーズではリソース(CPU、メモリー)を大量消費するプログラムの排除に注力する方が効果的でしょう。本連載の第4回でリソースの大量消費につながりやすいDBアクセス部分の性能対策について紹介します。
テスト: 本連載の第5回では、性能テストにおける実施ケースの選び方や、対策方針の考え方について触れます。 プロジェクト管理での二つの工夫性能を適切にマネジメントしていくためには、プロジェクト管理の面でも工夫が求められます。プロジェクトのマネジャーやリーダーが、性能にリスクのある機能がどれくらい存在し、そのリスクがシステム全体に対して、どれほどの影響を与えるのかを開発工程を通じて把握するための工夫です。筆者の経験から得た工夫を二つ紹介しましょう。
(1) 機能別に性能要件を一覧にする
(2) プロジェクト体制を工夫する 専任者部隊が性能のチューニング案作成を支援したり、複数の開発チームが共同で解決すべき性能問題(共通プログラムのチューニングなど)に対してチーム間の作業調整を行ったりすることで、性能問題を早期に解決に導けるケースが多くなりました。 中西 剛紀(なかにし よしのり) TIS 技術本部 先端技術センター 主査 過去に大規模ミッションクリティカルシステムにおけるデータモデリング、性能マネジメントを経験。最近はオープンソースソフトウエアに注目し、活用範囲を調査するとともに、社内での利用推進を図っている。 連載新着連載目次へ >>
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