日経コンピュータの星野友彦編集プロデューサー
日経コンピュータの星野友彦編集プロデューサー
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 国内で利用できるクラウドコンピューティングの中で、最強のベンダー、サービスは一体どれか――。日経コンピュータの星野友彦編集プロデューサーは2010年10月18日、東京ビッグサイトで開催した「ITpro EXPO 2010」展示会のメインシアターに登壇し、本邦初の大規模なクラウドサービス調査の結果について講演した。

 星野氏は、日経コンピュータとITproが実施した「第1回クラウドランキング」を基に、その詳細を解説した。調査内容は2種類ある。1つは、クラウド関連企業としての認知度を1万2632人の回答者に聞いた「ベストブランド」の調査。もう1つは、クラウドサービスの提供ベンダー143社にアンケートを行い、クラウドらしい特徴を備えた「ベストサービス」を選定する調査である。

グーグル、セールスフォースが強かったベストブランド調査

 「ベストブランド」の調査目的について星野氏は、「クラウドコンピューティングは今後、時代を率いていくキーワードとなるはず。だが様々な企業がクラウド、クラウドと騒ぐ中で、はたしてリーディングカンパニーはどこなのか。そこを明確にしたかった」と述べた。星野氏はランキング上位20社(図1)を示し、このうち総合スコアが75以上の11社をベストブランドに選んだと説明した。

図1●ベストブランド調査における上位20社のスコア
図1●ベストブランド調査における上位20社のスコア
総合スコアが75以上の11社をベストブランドに選定
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 ベストブランド調査では、グーグル、セールスフォース・ドットコムが総合スコアで1位、2位を占めた。国産ベンダーも上位に多数ランクインしているが、グーグルとセールスフォースの総合スコアは群を抜いて高い。その理由について星野氏は、「認知度の高さはもちろん、グーグルなら技術力、セールスフォースなら実績が広く認知されている」と説明する(図2)。ただし、グーグルやセールスフォースでは「信頼性」のスコアが低く、平均的なレベル(スコア50前後)だった。「信頼性の面では国内ITベンダー勢のスコアが総じて高く、70以上になっている」(同)。

図2●グーグル、セールスフォース・ドットコムのスコア内訳
図2●グーグル、セールスフォース・ドットコムのスコア内訳
ここではマスターデータのメンテナンス機能を例に比較した
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