先日、興味深い調査を見つけました。ビジネスメールで「失敗」だと感じたことと「不快感」を感じたことについての調査(「ビジネスメール実態調査2010」)で、メールの送り手として「失敗」だと感じたことは『添付ファイルのつけ忘れ』が最多、次が『誤字や脱字』でした。翻って、受け手として「不快感」を感じたこととしては、『言葉遣い』『内容のわかりにくさ』が最多でした。つまり、自分では「言葉遣い」「内容のわかりにくさ」を「失敗」と自覚していない、ということでしょう。
今回紹介する文章のテクニックは、使わないと相手に「不快感」を感じさせてしまうものです。これをマスターすると印象が良くなりますから、ぜひ覚えておきましょう。
どこが問題?
お疲れ様です。八橋です。
昨日のお話の件ですが、どなたかにお願いできないでしょうか。
今月中はP社システムの件で多忙のため他に手が回らない状況なのです。
山下部長にご相談いただけませんでしょうか。
以上何卒宜しくお願い致します。
ここが問題!クッション言葉を用いないと粗雑な印象になってしまう
依頼を断る場合、またはこちらから何かを依頼する場合には、相手に不快感を与えないような配慮を示すことが大切です。
この配慮がないと、依頼を断る場合には、「いやです!」「断ります!」と言っているような、不躾な子供っぽい表現になってしまいます。また、何かをお願いをする場合には、相手に否応無しに、「やっておいてください!」と押し付けている感じがします。断る場合、お願いする場合ともにあまりにも直接的な表現はビジネスにはふさわしくありません。
これで解決!便利なクッション言葉を覚えよう
言いにくいことを和らげて伝えるのに便利なのが、クッション言葉です。これには下記のような表現があります。
・断り&依頼
お手数ですが 申し訳ございませんが 恐縮ですが 恐れ入りますが
・断り
あいにくですが せっかくですが 残念ながら
これらの言葉を文頭に用いるだけで、途端に印象がソフトで丁寧になります。クッションの役割をしているから、クッション言葉と呼ばれているのです。
依頼の場合は、「クッション言葉 + ~いただけますでしょうか」と、疑問形でお願いします。
「~してください」という言い方は、いくらクッション言葉を最初につけたとしても依頼というより、やや強制的な感じに取られかねません。文書というのは一方的な伝達方法なので、口頭でのやり取り以上に、細心の注意を払う必要があるのです。
変わった!
お疲れ様です。八橋です。
昨日のお話の件ですが、大変申し訳ございませんがどなたかにお願いできないでしょうか。
あいにく、今月中はP社システムの件で多忙のため他に手が回らない状況なのです。
恐縮ですが、山下部長にご相談いただけませんでしょうか。
以上お手数ですが何卒宜しくお願い致します。
冒頭で紹介したように、自分では「不快感」を与えていることに気づいていないことがほとんどです。クッション言葉は、挨拶の言葉と同様に覚えて、常に使えるようにしておきたいものです。