日本のAndroidアプリ開発者たちの活動は活発だ。まだ経済活動という観点から可視化できる段階にないが、彼らの活発な動きはやがてモバイル・インターネットの時代に活力を与えるだろう。

Androidアプリで起きた“事件”

 最近、ひとつの“事件”が起きた。

 村上福之氏が開発し、Twitterで集まった開発者達と共に改善した「Androbook」というツールがある。コミックや小説などのコンテンツを手軽にAndroidアプリに変換できるツールである。

 このツールがTwitter経由で漫画家 佐藤秀峰氏の目に留まった。自作を世界に配信したいと考えていた佐藤氏は、累計1000万部を超えるベストセラーである代表作『ブラックジャックによろしく』をAndroidアプリに変換し、無料で配信を始めた(写真1村上福之氏によるBlog記事)。

写真1●Androbookで作られたAndroidアプリ版「ブラックジャックによろしく」
写真1●Androbookで作られたAndroidアプリ版『ブラックジャックによろしく』
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 ソーシャル・メディアTwitterの情報伝搬力の素早さ、範囲の広さと、Androidアプリ開発者たちのフットワークの軽さが組み合わさった出来事だった。Androidの特性が思わぬ形で発揮された事件といえる。