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日経SYSTEMS

初アジャイルで現場こじれる、レビューを工夫し改善

小島プレス工業

2010/10/14
中山 秀夫=日経SYSTEMS
出典:日経SYSTEMS 2010年2月号  pp.56-59
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
1. アジャイル手法を初導入し,グループ14社共通のEDIシステムを開発
2. メンバー同士のレビューで険悪な雰囲気が生まれたが,やり方を変えて改善
3. 開発チーム全員で利用現場を見学し,業務知識を深めた

 アジャイル開発手法に挑戦するしかない──。自動車部品メーカー,小島プレス工業でシステム部門長を務める兼子邦彦氏(技術企画部 参事)は,新システムの開発プロジェクトを立ち上げるに当たり,こう決断した。

 開発するのは,自社を含むグループの製造業14社で利用する「共通EDIシステム」と,当面は生産規模の大きい自社のみで使う「RFIDカンバン・システム」。これらのシステムにより,グループ内のSCM(Supply Chain Management)を強化し,生産リードタイムの短縮や在庫圧縮につなげる。さらに,情報化が遅れている小規模なグループ会社のために,共通EDIシステムに生産管理や売掛金管理などの機能を付加し,基幹業務システムとして導入する。

 このプロジェクトは,開始前から難航が予想された。兼子氏は「グループ会社によって生産管理や受発注などの業務のやり方が異なっており,システム要件の調整に手間取るのは必至だった」という。

 そこで兼子氏らは,要件を固めてから開発に入るのではなく,システムの機能を段階的に増やし“育てるように”開発しながらグループ会社の要求をすり合わせていく,というアプローチを取ることにした。言い換えると,利用部門と密接にコミュニケーションを取りつつ,反復開発を行う。それが,冒頭のアジャイルというわけである。

アジャイルの経験者がいない

 しかしアジャイル開発に取り組むには,懸念材料があった。アジャイルの経験者がいなかったのである。自社だけでなく,付き合いが深いシステム開発会社グローバルワイズも同様だった。そこで,アジャイルの経験が豊富な情報システム総研とコンサルティング契約を結び,自社とグローバルワイズの要員でアジャイルに取り組むことにした。さらに業務改革のアドバイザーとして,名古屋ソフトウェアセンターの業務コンサルタントもプロジェクト・チームに加えた。

 プロジェクト・チームは,プロジェクト全体のマネジメントや利用部門との調整を行うマネジメント・チーム6人と,実際の開発を行う開発チーム5〜7人,それに利用部門やグループ会社などのユーザーという構成だった。

 以下では,開発チームのリーダーを務める山下正博氏(グローバルワイズ e-EDM事業部 マネージャー)の視点で,初めてのアジャイル開発において直面した三つの壁と,それらを乗り越えた工夫について見ていこう(図1)。

図1●プロジェクトのスケジュールと,開発チームが直面した三つの壁
手始めに,要件がほぼ固まっていた「RFIDカンバン・システム」でアジャイル開発を経験し,その後,業務システムである「共通EDIシステム」を開発することにした。それでもアジャイルの経験がなかったために,大きく三つの壁に直面した
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>>要件が固まったシステムで試行
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