携帯電話の次に来るであろう“ヒトとコンピュータを媒介する装置”について考察した本。AR(拡張現実)の最先端デバイスの紹介といったわかりやすい話題から始まるが、著者が本当に書きたかったのは後半部分。そこでは、コンピューティング能力は個人が所有するものから“環境”になり、“移動”は贅沢な行為になるのではないかというテーゼが導き出されている。論理の組み立てにやや性急な感はあるが、刺激的な近未来論だ。

ポスト・モバイル

ポスト・モバイル
岡嶋 裕史著
新潮社発行
714円(税込)