2010年9月15日、マイクロソフトから同社のWebブラウザであるInternet Explorer(IE)の次期版IE9のベータ版が公開された。IE9は、これまでもIE6、IE7、IE8と定期的にバージョンアップを進めてきた。だが、今回はこうした一連のバージョンアップとは一線を画す大規模なものとなっている。
Webブラウザの分野で相変わらず圧倒的なシェアを誇るIEだが、ここ数年はFirefoxやGoogle ChromeといったライバルのWebブラウザから激しい攻勢を受けていた。これらのWebブラウザがAjaxをはじめとする新しいWeb技術を想定して強化を進めてきたことから速度や機能といった面で劣勢に立つようになり、IEは徐々に市場シェアを奪われていた。IE9は、こうした状況を打開するために、マイクロソフトが久しぶりに“本気”になって開発したWebブラウザである。
IE9の一番の強化点はスピードの改善である。最近のWebサイトで多用されるJavaScriptの実行エンジンを一新したほか、グラフィック処理専用のプロセッサであるGPUを活用することで処理を高速化した。そのほか、HTML5やCSS3といった次世代のWeb標準も積極的にサポートしている。
ITpro上で公開したIE9の記事
IE9向けサイトを30社超が試作、「電子新聞から習字までHTML5で開発できる」
MicrosoftがIE9のベータ版を公開、より高速でシンプルに
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