今回は、プレゼンテーション資料を作成するときの定番ツール「PowerPoint」やWindows標準の描画ツール「ペイント」でスライドや図を編集する際の操作性を、デスクトップ仮想化環境で検証した。一部の操作で、応答が追いつかないケースもあった。

検証(3)PowerPointの編集---画像はストレスを感じる

 この検証では100Mビット/秒のネットワークを用いて、スライドショー再生の検証(2)で利用したファイルを編集した。手動でテキストおよび画像の編集を行い、操作性を調べた。

 テキストの編集は、RDP6、RDP7、ICAともにストレスなく行え、物理環境との差はあまり感じなかった。

 一方、画像の編集ではRDP6でストレスを感じた。スライド上の画像をマウスでドラッグして移動させると、マウスカーソルの動きに画像が追随するまで時間がかかり、我慢して使う必要があった。RDP7はRDP6に比べるとスムーズである。ICAは操作のタイムラグが最も少ないと感じた。

検証(4)ペイントによる図の描画---実線を描いても点線になる

 この検証では100Mビット/秒のネットワークでWindows標準アクセサリの「ペイント」を用い、マウス操作で円を描いた。スプレーのような筆で描く「エアブラシ」と、通常の筆で描く「ブラシ」で試した(図1)。

図1●ペイントによる円の描画
図1●ペイントによる円の描画
各環境でWindows標準ソフトの「ペイント」を起動し、「エアブラシ」および「ブラシ」を選択し、一定速度でフリーハンドの円を描いた。エアブラシの場合、RDP6とRDP7では円が点線になった。
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 エアブラシの場合、RDP6とRDP7は描画処理が追いつかず、本来はほぼ実線となるべきものが点線になった。マウスのボタンを押しながら位置をずらすのだが、応答が間に合わないという感じである。ICAでは物理環境と同様に正しく円を描くことができた。

 ブラシの場合、エアブラシより結果は良好だが、RDP6とRDP7ではやや角張った多角形のような円になった。マウスの位置情報の転送が間引かれていると感じた。ICAでは、物理環境と同じように滑らかな円を描くことができた。