■「Adolix Split and Merge PDF」は複数のPDFファイルを結合したり、1つのPDFファイルを複数に分割するなどの加工を簡単にできるツールである。
■シンプルな操作でPDFファイルの加工を行うことができる。コマンドラインオプションも用意されているので、バッチスクリプトなどに組み込んで使用することも可能だ。
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PDFは、オフィス業務はもちろん、一般の家庭でもよく使われるドキュメント形式の1つとして普及してきている。最近では、スキャンして取り込んだ画像をそのままPDFファイルとして保存できるスキャナやコピー機も多くなってきており、ユーザーが簡単にPDFファイルを作成することも可能になってきた。
ドキュメントとしてコンピュータに保存しているPDFファイルが多くなってくると、スキャナで読み取った複数のPDFファイルを1つにまとめて保存したいニーズが出てくる。ときには、非常にページ数の多いPDFドキュメントから特定の部分を抜き出して小さなファイルとして利用したいといったニーズも出てくるだろう。
PDFの分割や結合が簡単にできるフリーソフト
PDFファイルを作成し、加工するためのツールとしては、開発元であるAdobe社が提供する「Acrobat」が本家本元である。それ以外に、互換ソフトウエアも多数存在しているが、これらのパッケージソフトは一般には比較的高額である。こうした状況を反映してか、PDFファイルを扱うフリーソフトやシェアウエアが数多く公開されている。従来、これらのフリーソフトやシェアウエアは、「PDFファイルを作成する」だけといった単機能のツールが多く、目的に応じたツールを探さなければならなかった。
だが、最近ではPDFドキュメントをさまざまな形に加工するフリーソフトやシェアウエアも多くなってきた。今回紹介する「Adolix Split and Merge PDF」(以下「Adolix SMPDF」)もそうしたツールの一つで、複数のPDFファイルを結合して1つのPDFファイルを作る、1つのPDFファイルから特定のページを抜き出す、あるいは1ページごとのPDFファイルに分割するなどの便利な機能をもつ。
Adolix SMPDFを使用すると、PDFファイルについて、次のような処理ができる。
- 複数のPDFファイルを結合して1つのPDFファイルを生成する(Merge)
- 指定したページごとに複数のPDFファイルに分割する、あるいは特定のページだけを抽出する(Split)
- 2つのPDFファイルを任意のページ構成で合成し分割する(Mix)
Adolix SMPDFは英語版(ほかにイタリア語、ロシア語、スペイン語版など)のツールだが、操作はシンプルでわかりやすいフリーソフトである。ただし、有償版(19.95ドルのAdolix Split and Merge PDF Pro)と比べて機能に制限がある。たとえば、結合可能なPDFファイルの数は5つまで、分割後に生成されるファイルは最大50ファイルまで、といった制限がある。これらの制限を超えた加工を行いたいのであれば有償版へのアップグレードを考えてもよいだろうが、通常はフリーソフト版で十分だろう。