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仮想化

デスクトップ仮想化の構築法

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悩ましいサイジングをどうするか?

2010/09/09

山本 堅一郎 大和総研ビジネス・イノベーション

 今回は、デスクトップ仮想化の設計フェーズにおける「サイジング」についてポイントを解説する。企業や部署によってPCの利用状況には大きな違いがあるため、「Windows XPを利用する場合の標準ケース」「Windows 7を利用する場合の標準ケース」「Windows 7をパワーユーザーが使うケース」といったパターンに分けてサイジングの目安を見ていこう。

リソースのモニタリングによる利用状況の把握

 現在利用中の既存クライアントPCについて、リソース利用状況の平均を把握することは案外難しい。Microsoft Officeを利用する環境において、たくさんのウィンドウを同時に起動する利用者もいれば、同時起動が少ない利用者もいる。利用者によってデスクトップの使い方が様々なのだ。事前にパフォーマンスログをサンプリングして収集し、結果をグループ化した上で分析すると、リソース利用状況の把握精度が向上する。

 Windowsのパフォーマンスモニタを利用してリソースの利用状況をモニタリングするには、表1のように、CPU使用率、メモリー使用量、ディスクI/O使用量、ネットワーク使用量といった項目についてログを収集するとよい。

表1●パフォーマンスモニタを利用した場合のモニタリング項目
パフォーマンス
確認項目
オブジェクトカウンタインスタンス
CPU使用率Processor%Processor Time_Total
メモリー使用量MemoryCommitted BytesN/A
ディスクI/O使用量(読み込み)Physical DiskDisk Reads/sec0 C: (*1)
ディスクI/O使用量(書き込み)Physical DiskDisk Writes/sec0 C: (*1)
ネットワーク使用量Network InterfaceBytes Total/sec利用中のネットワークを選択する(*2)
*1 システムドライブを選択する
*2 XenServer上の場合は「Citrix PV Ethernet Adapter」を選択すればよい

 ハイパーバイザー側でもある程度はパフォーマンスを計測できる。図1は、XenServerの運用管理ツールXenCenter 6.5を利用して、XenServer上に試験的にホストしたWindows 7のパフォーマンスグラフになる。

図1●XenCenter 6.5によるCPU利用率とディスクI/Oの測定例
図1●XenCenter 6.5によるCPU利用率とディスクI/Oの測定例

 少しわかりにくいが、図1の上のグラフはCPU使用率を表し、ログオン、ログオフを4回繰り返した後、Officeなどのアプリケーションソフトを複数操作し、シャットダウンしたときのものだ。ログオン時には、CPUにログオフ時の倍以上の負担がかかる。

 図1の下のグラフは、ディスクへのアクセス状況を示している。スケールの関係で図からは読み取りにくいが、ログオン時は比較的I/Oが少なく、ログオフ時に書き込みI/Oが発生する。

ディスクI/Oの9割を占める「書き込み」に注目

 クライアントPCの平均CPU使用率は20〜40%程度(CPUの性能による)で、多くの時間は10%未満の数値となり、ときどき使用率が跳ね上がる。パフォーマンスモニタ以外に、マイクロソフトの「Windows Sysinternals」サイトで入手できるシステム監視ユーティリティ「Process Monitor」や「DiskMon for Windows」を利用すれば、その詳細を確認できる。

 さて、パフォーマンスモニタで具体的に観察してみよう。図2は、Word 2007を稼働させ、編集作業を行った場合のIOPS(1秒当たりのディスクI/O)をパフォーマンスモニタで計測したものだ。デスクトップを起動し、ログインした後、全く操作しない場合のCPUリソースはほぼ0となり、ディスクの書き込みI/Oのみ、わずかに発生している。

図2●Word 2007を稼働させ、編集作業を行った場合のIOPS(1秒当たりのディスクI/O)
[画像のクリックで拡大表示]

 一般に、アプリケーションを利用した場合のディスクアクセスは、概ねリードとライトが同程度といわれている。だが、実際にXenDesktop 4.0上のWindows 7(ウイルス対策ソフト導入済みの環境)をパフォーマンスモニタによって確認したところでは、システムドライブへのI/Oでは書き込みが圧倒的に多い。9割程度は書き込みと考えてよい。

 Word 2007の操作中は平均4IOPS程度(図2では平均3.166)で、OfficeやAdobe Reader、メモ帳などを同時に複数稼働させたところ、平均6IOPS程度となった。この場合も書き込みが大部分となっている。ディスクアクセスの見積もりは4IOPS(ライトユーザー)〜12IOPS(パワーユーザー)が妥当と判断しているが、アプリケーションの種類や共有ファイルアクセス、メール通信の頻度などに影響されるので、自社のデスクトップ環境が具体的にどれくらいのリソースを消費するのか把握した上で個別に判断してもらいたい。

>>システム全体のサイジングを検討する
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