今回の目玉は、Visual Studio LightSwitchのベータ版が公開されたことです。Visual Studio LightSwitchは、だれでも簡単にアプリケーションを開発できるツールです。開発したアプリケーションはデスクトップ環境とAzure環境のどちらででも自由に使うことができます。そのほか、SQL Azureのスナップショットコピー機能や、サードパーティのID連携ソリューションも登場しています。

Visual Studio LightSwitchのベータ版が公開

 2010年8月23日、Visual Studio LightSwitchのベータ版が公開されました。8月25日に開催したMicrosoft Tech・Ed 2010 Japanの基調講演では、そのベータ版を使ったデモを披露しています。Visual Studio LightSwitchは、プロのプログラマではない人でも、デスクトップ/Web/クラウドをターゲットにしたビジネスアプリケーションを簡単に構築できる開発ツールです。

 Visual Studio LightSwitchでは、あらかじめ用意されているアプリケーションのフォームなどのテンプレートを基に開発していきます。画面イメージを確認しながら必要に応じてテンプレートを修正したり、Visual BasicやC#を使ってコードを記述していけばアプリケーションが完成します。完成したアプリケーションはデスクトップの実行コードの形で生成する以外に、Silverlightアプリケーションにビルドすることができます。また、Windows Azure上にデプロイすることも可能で、デスクトップ/Web/クラウドのいずれでも使えるビジネスアプリケーションを容易に開発できます。

●関連情報
[Microsoft Visual Studio LightSwitch]
[Microsoft Tech・Ed 2010 Japan 基調講演オンデマンド配信]

SQL Azure Service Update 4を公開、“Houston”もアップデート

 2010年8月25日、SQL AzureのService Update 4が公開されました。このアップデートでは、SQL Azureのデータベースをコピーすることが可能となり、データセンターの別のサーバーにデータベースのスナップショットを作成できるようになりました。これはSQL Azureのバックアップサポートのための機能として位置づけられています。

 また、オンラインのSQL Azure管理ツールであるプロジェクトコード名“Houston”(参考記事)も、すべてのデータセンターに配置されるなど、パフォーマンス改善と機能追加が実施されています。

●関連情報
[MSDN Library : What’s New in SQL Azure Service Update 4]
[MSDN Library : Copying Databases in SQL Azure]
[SQL AzureのTeam Blog]

Microsoft Online Servicesと社内アカウントを連携させるサービスが登場

 2010年8月24日、ソフトバンク・テクノロジーからID管理システム「Online Service Gate」がリリースされました。Online Service Gateは、Exchange OnlineやSharePoint OnlineといったMicrosoft Online Servicesを利用しているユーザーに、社内ログインのアカウントでシングルサインオンをさせるサービスです。IPアドレスや端末の種類などに応じて利用制限をかけることも可能です。

 また、8月25日に開催されたMicrosoft Tech・Ed 2010 Japanの基調講演では、このOnline Service GateのソリューションをWindows Azure上に構築し、Microsoft Online Exchangeと連携して、従来の社内設置型と同等のセキュリティをクラウドサービスでも実現したバンテックの事例も紹介されました。

●関連情報
[Exchange Online 対応ソフトウェアとソリューション「Online Service Gate」]
[ソフトバンク・テクノロジーのOnline Service Gateの解説サイト][マイクロソフトのプレスリリース : 株式会社バンテックが、マイクロソフトのクラウドベースのメールシステムを全社導入]