Rubyコミュニティのイベント「日本Ruby会議2010」が2010年8月27日から28日の3日間、茨城県つくば市で開催された。国内外から3日間でのべ約2000人が参加、約70のプログラムが行われた。基調講演でまつもとゆきひろ氏は次期版 2.0のアイディアを紹介、「間もなくRuby 2.0の開発を始める」と語った。

写真●Ruby会議2010の会場
写真●Ruby会議2010の会場
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写真●セッション「RubyコミッタQ&A」ではRuby開発メンバーが壇上に集合(写真提供:みずほ総研 橋本明彦氏)
写真●セッション「RubyコミッタQ&A」ではRuby開発メンバーが壇上に集合(写真提供:asakusa.rb 橋本明彦氏)
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Ruby 2.0に向けた新しい構文を提案

 まつもと氏は「Ruby 2.0」と題して講演。Rubyの改善したい点として、「ローカル変数のスコープ」、「mix-inにおける問題(複数のモジュールをインクルードした際の競合)」、「プライベート・メソッドがないこと」、「グローバル・モンキーパッチング(パッチの影響が全体に及ぶこと)」、「整数の除算(整数同士の割り算の結果は整数になる)」をあげた。Ruby 2.0では、これらの課題を解決する方法を検討する。Ruby 2.0の開発は「間もなく始める」(まつもと氏)という。

写真●売まつもとゆきひろ氏の基調講演のテーマは「Ruby 2.0」
写真●まつもとゆきひろ氏の基調講演のテーマは「Ruby 2.0」
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 今回の講演では「複数のモジュールをインクルードした際の競合」を解決する手段としてまつもと氏が導入を考えている「mix」と呼ぶ構文について解説した。インクルードした複数のモジュールで同じ名前が使われていた場合にエラーにより検知でき、名前を変更して読み込むなどの機能もある。質疑応答では、提案された新しい構文について、まつもと氏とRubyのコア開発者の間で突っ込んだ議論が交わされた。

写真●mixの構文
写真●mixの構文
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