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仮想化

デスクトップ仮想化の構築法

ITpro

格段に導入しやすくなったデスクトップ仮想化

2010/09/06

山本 堅一郎 大和総研ビジネス・イノベーション

 デスクトップ環境(クライアントPC)を仮想化し、サーバー上で稼働させる「デスクトップ仮想化」――。この仮想化技術が話題になり始めてから、もう2、3年になる。国内でも大手企業をはじめとする先進ユーザーでの導入実績はあるが、リーマンショックの影響もあってか、まだ広く普及している状況とは言えない。

 だが今年は、多くの企業がデスクトップ仮想化の検討・調査を始め、先行ユーザーの導入効果に注視しているのではないだろうか。背景には2つの要因があると考えている。まず、Windows XPパソコンのリプレースを検討中の企業で、デスクトップ仮想化を選択肢の1つと考えるケースが少なくないこと。そして、デスクトップ仮想化の導入に追い風が吹いていることである。

 ただ現状では、「クライアントPCを、どのように仮想化するのがよいのか?」という声が多い。仮想化する際の基礎的な仕組みはサーバー仮想化となんら変わらないが、デスクトップ仮想化には固有の検討課題があるためだ。

 ここではデスクトップ仮想化に吹く“追い風”を紹介するとともに、次回以降、デスクトップ仮想化に特化した構築ポイントを「計画」「設計」「構築」「移行」のフェーズに分けて解説していきたい。

コストパフォーマンスがこの1年だけでも大幅向上

 これまでデスクトップ仮想化が広く普及するに至っていない理由の一つに、「コストパフォーマンス」の問題が挙げられる。今、クライアントPCを安価に購入できるため、初期投資額がそれなりに大きいデスクトップ仮想化をあえて選ぶ理由がなかったといえる。しかし、ハードウエアやソフトウエアの進化、新しいライセンスの登場などにより、ここ1年を振り返るだけでもデスクトップ仮想化をめぐる流れが大きく変わった(図1)。

図1●デスクトップ仮想化を巡る、ここ1年の進化と変化
図1●デスクトップ仮想化を巡る、ここ1年の進化と変化

 まずは、ハードウエアの面から見てみよう。1台のサーバーにどれだけの仮想デスクトップを集約できるかがポイントだ。集約率が高ければ、それだけデスクトップ仮想化のコストパフォーマンスが高くなる。

 ご存知のようにサーバー向けCPUの多コア化が進んでいる。今、最もコストパフォーマンスが高いモデルは6コアの2ソケットモデルで、1サーバー当たり12コアとなる。昨年ならクアッドコアの2ソケットモデルで1サーバー当たり8コアであったことを考えると、CPUについては1年で50%もコア数が増え、仮想デスクトップの集約率が向上したことになる。

 サーバーに搭載するメモリー容量も集約率を左右する。CPUほどではないが、メモリーもコストパフォーマンスが高くなった。2GBのメモリーモジュール(DIMM)と4GBのDIMMを比べると、1GB当たりの単価が同額となる場合が多い。8GB DIMMの容量単価も、2GB DIMMとの差が小さくなりつつある。

 1台のサーバーに搭載されるDIMMスロットの数も増えている。昨年あたりは仮想化向けサーバーモデルでDIMMスロット搭載数が15個程度だったが、現在は18個に増えている。つまり、メモリー搭載量の上限が20%ほど向上したわけだ。4GB DIMMをフルに搭載すれば、1サーバー当たりのメモリー容量は72GB。8GB DIMMを使えば144GBとなる。それだけ多数の仮想デスクトップを集約する余地が生まれた。

デスクトップ仮想化のキーテクノロジーが強化された

 次にソフトウエアの側面を見てみよう。サーバー仮想化の分野でも顕著であるが、VMwareやCitrix Systemsなどのデスクトップ仮想化ソリューションベンダーが性能・機能やコストを競うことで、急速にデスクトップ仮想化技術が向上している。

 たとえば、何もしていない仮想マシンに割り当てたメモリーを他の仮想マシンに割り振り直すメモリー・オーバーコミットは、以前はVMwareでしか実現できなかった。各仮想マシンの稼働率が絶えず変化するデスクトップ仮想化環境では、メモリーの利用効率を大幅に高める重要な機能である。このメモリー・オーバーコミットは現在、Hyper-VやXenServerにも異なる方式ながら実装されている。

>>“クライアント仮想化”にも期待
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