連載第3回となる今回から2回にわたり、サーバーソフトのバージョンアップを賢く乗り切るコツを紹介する。この作業はクライアントソフトのそれと比べると、より一層の確実性と慎重さが欠かせない。不具合が起こると、全社の業務がストップしかねないからだ。資生堂の取り組みを例に、リスク低減のノウハウを伝授する。また、サーバーソフトのバージョンアップ作業は外注する企業が多いが、ここに大きなコスト削減の余地がある。知恵の見せ所である。

 サーバーソフトのバージョンアップは、クライアントのそれよりも確実性が求められる。基幹系システムや情報系システムを支えているからだ。

 さらに、OSやデータベース、Webアプリケーションサーバー、ERP(統合基幹業務システム)パッケージなど導入している製品が多岐にわたる。バージョンアップに伴う互いの影響も考慮しながら、作業を進めなければならない。

 これらを上手に乗り切るためのポイントを図1に示した。クライアントソフトと同様なのは、独自に作ったアドオンソフトの扱いだ。ERPパッケージをバージョンアップする場合は、アドオンソフトの利用状況を確認し、不要なものは捨て、検証対象から外す。利用度に応じて、改修作業の優先順位を付ける。これ以外の勘所は何か。具体的に見ていこう。

図1●サーバーソフトを賢くバージョンアップするためのポイント
図1●サーバーソフトを賢くバージョンアップするためのポイント
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