第3回ではiアプリのライフサイクルと基本機能を解説した。今回も引き続き、iアプリの機能を解説するとともに、代表的なiアプリなども紹介する。
携帯電話が備える標準機能との連携
iアプリは携帯電話出荷時にプリインストールされているアプリケーションと連携することができる。連携できる機能を以下に列挙していこう。
・Webブラウザ連携
iアプリからURLを渡して、Webブラウザを起動することができる。逆に、Webブラウザからiアプリを指定して、該当するiアプリを起動することもできる。iアプリ起動時には、Webブラウザからiアプリに渡したいパラメータをセットすることもできる。
・メール連携
iアプリからメーラーを起動することができる。逆に、メールに書かれたタグからiアプリを起動することも可能だ。
・外部機器連携
外部機器からの赤外線通信をきっかけにして、iアプリを起動することができる。
・iアプリ連携
iアプリから別のiアプリを起動することができる。
・通話連携
iアプリから通話機能を呼び出せる。
・電話帳連携
iアプリから電話帳の新規登録機能を呼び出すことができる。
・ブックマーク連携
iアプリからブックマークの新規登録機能を呼び出せる。
・スケジューラ連携
iアプリからスケジューラの起動とスケジュールの新規登録機能を呼び出しが可能。
・画像管理機能連携
iアプリから画像管理機能の呼び出しと画像の受け渡しをすることができる。
・データBOX連携
iアプリから携帯電話内のデータBOXへのフォルダ作成やフォルダ情報取得をすることができる。また、大容量コンテンツを携帯電話内の専用保存領域に直接取得・保存することもできる。
すべての機種ではないものの、一部機種では以下のような連携もできる。
・映像データ連携
iアプリからあらかじめ携帯電話本体に保存されている映像データにアクセスすることができる。
・アラーム連携
iアプリからアラームの新規登録機能を呼び出せる。
・トルカ連携
トルカはNTTドコモが定義したメディアデータの総称であり、サービスの総称でもある。クーポンデータなどを作成するのに向いている。iアプリからトルカデータの新規登録機能を呼び出せる。
・マイプロフィール
携帯電話の所有者情報にアクセスできる。
・デコメテンプレート
デコメテンプレートとは、iモードメールを作成する際にテンプレートとして使えるデータである。デコメテンプレートの新規登録機能をiアプリから呼び出すことができる。
・ラジオチューナー制御
FM/AM切り替えや選局など、ラジオチューナーの制御ができる。
・FeliCa AdHoc通信
AdHoc通信とは、別の機器を経由せず、直接機器同士で行う通信のこと。FeliCaを介して外部機器と双方向通信ができる。
・FeliCaによるアプリ起動
携帯電話をFeliCaリーダー/ライターにかざした際に行われる特殊な通信によって、指定されたiアプリを起動することができる。
・シリアル通信
携帯電話と外部機器を通信ケーブルで接続して、シリアル通信をすることができる。
・外部メモリー
外部メモリー(microSDなど)にアクセスして、大容量データを扱える。
・デジタルテレビ
ワンセグ視聴・録画予約や、ワンセグチューナーを起動できる。
・動作認識
カメラの入力から、動作を検知できる。
・電子コンパス
携帯電話が向いている方角を取得できる。
・加速度センサー
携帯電話が受ける重力ベクトルを検知できる。
・暗号化
任意のデータに対して、PKCS#5(RFC2898)で規定されているパスワードベースの暗号化をすることができる。
・ヘルスケア機能
脈拍や歩数の計測ができる。
・読み上げ
任意の文字列を日本語で読み上げられる。
・赤外線リモコン信号受信
赤外線リモコン信号を送信するだけでなく、受信することもできる。