McAfee Avert Labs Blog
Social Networking, Privacy Concerns Worry Europeans」より
June 25,2010 Posted by Stina Wikstrom

 筆者は2010年6月、欧州におけるソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の効果と影響について、興味深い報道や投稿記事を目にした。以下にいくつか紹介しておく。

欧州会議
スウェーデンのダーゲンスニュヘテル紙
IDGスウェーデン
英トラボリューション

 当社(米マカフィー)は、SNSが基本的な業務用ツールであると同時に個人向けツールとして発展したと認識している。とりわけ、最近の欧州でみられるSNSに対する懸念の高まりに関心がある。

 欧州で心配されているのは、社会がSNSから受ける影響と、インターネットにまつわるプライバシーの問題だ。懸念を口にする人のなかには、SNSに中毒性があると考える人もいる。

 SNSを長時間使う人はたくさんいるし、家庭や職場であらゆる年齢の人がアクセスする。多くの場合、アクセス回数は1週間に数回程度だが、常時オンライン状態で他者からの反応や新着メッセージを確認し続けずにはいられない人もいる。

 企業などでは、SNSによって生産性が低下したりデータ流出リスクが高まったりすることから、雇用者の悩みの種になるだろう。今はこうしたSNSを活用する企業や役所も多いので、SNSの個人利用と職場利用の境目はあいまいになった。

 さらにSNSは、学校や職場での集中力を下げる恐れがある。

 使いすぎて止められないというSNS中毒も指摘されており、ギャンブル中毒と同じく利用者の健康を損ないかねない。

 欧州では、地域によってはSNSが検索エンジンと同等、もしくは検索エンジン以上に利用されている。そしてSNSに投稿される情報が増えるほど、個人情報の不正取得や写真などの情報流出といったプライバシー侵害の危険性が高まる。自分自身や雇い主の情報を漏らしてしまう危険性に気付いている利用者は少ない。

 SNSが危険を招くという意見に賛成できないとしても、インターネット経由で社会的な交流をする機会が数年前から急増したことに異論はないはずだ。こうしたオンラインコミュニケーションは、職場や個人的な環境におけるやり取り方法に何らかの変化をもたらした。

 現在のようなオンラインコミュニケーション手段がたくさん登場する以前は、他者と直接やり取りしていた。今は情報やコメント、意見をインターネット上のサービスに投稿することで、コミュニケーション相手以外の多くの人へも間接的にメッセージを送っている。我々は、何を、どのような方法で、誰に見せる設定で投稿するのかを常に意識しなければならない。オンライン活動の結果は、仕事と個人生活の両方におよぶ可能性がある。オンラインの人格と実際の人格は二つに分けられるものではない。

 これまで当ブログは、様々な新しい脅威に付随するセキュリティリスクを何度も取り上げた。ただし、IT管理者がユーザーにSNSのリスクを啓蒙することも大切である。企業にとっては、友人に対するフィッシングとスパム、特定の相手を狙った攻撃、その他SNSを悪用するワーム、情報の伝搬と流出といった危険もある。今後、欧州以外の国や文化圏でもSNSの危険性が強調されるようになるだろうか。


Copyrights (C) 2010 McAfee, Inc. All rights reserved.
本記事の内容は執筆時点のものであり,含まれている情報やリンクの正確性,完全性,妥当性について保証するものではありません。
◆この記事は,マカフィーの許可を得て,米国のセキュリティ・ラボであるMcAfee Avert Labsの研究員が執筆するブログMcAfee Avert Labs Blogの記事を抜粋して日本語化したものです。オリジナルの記事は,Social Networking, Privacy Concerns Worry Europeans」でお読みいただけます。