統合運用管理ソフトウエアを利用した仮想化環境の運用管理とは、実際どのようなものだろうか。今回は、オープンソースの統合運用管理ソフトウエアであるHinemosを使いながら具体的に解説していこう。Hinemosには、仮想化環境の管理機能を強化するプラグインを導入している。
ハードウエアとサービスの依存関係把握
Hinemosには、運用管理の対象となるハードウエア/OS/ミドルウエアなどをノード(コンピュータ)単位で管理するだけではなく、スコープと呼ばれる単位でノードをグループ化して、さらに、そのスコープを階層管理する機能がある。これを利用すると、サービスごとにスコープを作成し、その配下に依存するハードウエアやミドルウエアなどを登録することで複雑な依存関係を把握することができる(図1)。
サービスの死活監視およびサービス・レベル管理
Hinemosには、監視機能として表1のような、pingやエージェントを利用した死活監視のほかに、SNMP(Simple Network Management Protocol)やHTTPを利用したサービス・レベル管理に利用可能な監視機能がある。また、この監視機能でスコープを監視対象として選択することが可能なため、多くのノードを一度に監視対象とすることが容易だ。サービスがどのような状態であるかを効率的に把握することができる。
障害が発生した場合には、影響のあるスコープの表示がすべて変化する(図2)。複雑な依存関係を把握していなくても、すぐに影響範囲を確認することが可能である。
またあらかじめ登録した通知方法による通知や登録したジョブの実行によって、サービスの復旧やサービス・レベルの維持に必要な対策を迅速に行える。例えば、HTTP監視機能の応答時間がしきい値を超えた場合に、Webサーバーの追加起動およびロードバランサーの設定変更を行うジョブを実行するように設定しておくことで、Webサーバーの応答時間を指標としたサービス・レベル管理が行える。